薬局での認知症患者さまへの「接遇」を考えてみましょう!

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

軽度の認知症患者さまであれば本人が、または中高度でも家族の連れ添いのもとで薬局に来られるケースも多くあると思います。

薬局内にて薬剤師だけでなく調剤事務員を含め、認知症患者さまへの『接遇』を考えてみましょう。

①処方せん受付においてのポイント

認知症の疾患特徴を全員理解する

受付時の認知症患者さんの特徴

・処方せん、保険証の提示を頻回に忘れる
・同じことを何度も言ったり、聞いたりする
・髪や服装の乱れを気にしない
・ささいなことで、怒りっぽくなる

認知症患者さんの疾患の特徴を理解して、否定的な対応をしないように薬局スタッフ全員で周知しておきましょう。

②調剤中、待合室においてのポイント

 

認知症本人、ご家族の気持ちの理解


・座る場所への誘導(できればゆったりできる環境へ)

・問診票の記入
(本人、家族どちらが記入するか?本人に見られたくない内容もあるかもしれないので配慮する)

認知症の症状理解


・認知症の特徴(とっさの動きや歩き出しの方向確認が苦手、時間感覚が定まらず不安になる)に配慮

スタッフ間での連携を図る

・待合中の普段と違う行動、本人と家族が揉めたりしている場合はすぐに薬剤師に伝え、関係医療機関への相談連絡を考慮

③服薬指導におけるポイント

 

薬剤師の対応と医療機関との連携


・服薬指導後でも「聞き忘れ」に対して快く対応

・ご家族から新しい相談を受けた時に、処方医にもフィードバックを考える

介護サービスとの連携


・介護保険によるサービスをうけている可能性が高く、関係機関との情報連携も考える

・認知症の薬物治療に関する新しい情報等を提供しながら、お互いWin-Winになる関係づくりを考慮

あらかじめ、スタッフ全員で患者情報を共有し、オーダーメイドに患者さま対応できるように準備しておくことで、急な時にも対応ができると思います。

一度、薬局で確認されてはいかがでしょうか??

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

30歳で製薬会社のMRを辞め、2015年4月より念願の経営者として薬局運営を始める。
薬局経営とともに、『MRファーマシスト』(MR経験を持つ薬剤師を意味する)を提唱しWEBサイトやSNSを駆使したゲンバ目線の情報発信は注目を集め【ミクス】・【デキル管理薬剤師ラボ】で連載も持つ。
2016年からは本気で薬局を開局したい人を対象に『独立開局成功塾』を東京・大阪の2拠点で開催しており、夢を持つ若手薬剤師に独自の経営ノウハウを惜しみなく提供している。

記事作成のサイトポリシーについてはコチラ

この投稿者の最近の記事

「加納裕介」のすべての投稿記事を見る>>

コメント欄ご利用についてのお願い

  • 薬剤師、薬学生、調剤事務、医師、看護師といった医療に携わる方が使用できるコメント欄となります。
  • 「薬剤師の集合知」となるサイトを目指していますので、補足・不備などございましたらお気軽に記入いただけると幸いです。
  • コメントの公開は運営者の承認制となっており「他のユーザーにとって有益な情報となる」と判断した場合にのみ行われます。
  • 記事に対する質問は内容によってお答えできないケースがございます。
  • 一般消費者からの薬学、医学に関する相談や質問は受けつけておりません。

※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。

お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。

ページトップに戻る