「うちの薬局の人件費は妥当なのかな・・。」
特に中小薬局の経営者だと「人件費が妥当かどうか」という悩みを抱いた経験はあるのではないでしょうか。
人件費か妥当かどうかを測る指標が、
「労働分配率(読み方:ろうどうぶんぱいりつ)」
です。
調剤薬局での労働分配率の計算方法と具体的な事例、目安について考えてみたいと思います。
一般的には労働分配率は下記のように算出されます。
労働分配率(%)=人件費÷付加価値×100
付加価値の計算が少しややこしいのですが、薬局のような小売業は付加価値=売上総利益と考えて問題ないかと思います。
つまり人件費が売上総利益の何%を占めるのかが労働分配率です。
薬局の売上総利益の算出方法についてはこちらに記載しています。
【損益計算書(PL)】薬局長が見るべき数字~薬剤師のためのマネジメント講座
1店舗の保険調剤薬局を例に考えてみたいと思います。
売上総利益=売上−売上原価(期首在庫金額+仕入れ金額-期末在庫金額)
=1億円−(700万+7800万−750万円)
=2250万円
人件費合計1300万円
労働分配率=人件費(1300)÷売上総利益(2250)×100=57.8%
全業種の労働分配率の平均は50%前後といわれていますが、同業種内で比較するのが一般的です。
小売業でも、薬局のように人件費が高い業種は労働分配率が高くなり、スーパーなど人件費が安い業種は低くなります。
労働分配率が低ければ低いほど少数精鋭で多くの利益を生み出しているといえますが、
保険調剤薬局のような労働集約型寄りの業種では労働分配率が低すぎるとスタッフ一人あたりの負担が大きくなり、調剤の精度が低下したり患者さんにきめ細かい対応ができなくなる可能性があります。
一方で労働分配率が高すぎても、会社にお金が残らなくなってしまいます。
開業してまもない場合は、どうしても労働分配率は高くなってしまうのは仕方がありません。
しかし、軌道にのってきた後は労働分配率は高くても60〜70%までに収めるのが理想でしょう。
労働分配率の算出は、複数店舗薬局経営者が、特定の店舗に人件費が偏りすぎていないか判断する材料にもなります。
棚卸をしなければ正確に売上総利益を算出できませんので、店舗間のバランスを見るだけであれば単純に人件費÷技術料×100での算出で比較してもよいかと思います。
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