調剤薬局の労働分配率の目安は?

「うちの薬局の人件費は妥当なのかな・・。」

特に中小薬局の経営者だと「人件費が妥当かどうか」という悩みを抱いた経験はあるのではないでしょうか。

人件費か妥当かどうかを測る指標が、

労働分配率(読み方:ろうどうぶんぱいりつ)」

です。

調剤薬局での労働分配率の計算方法と具体的な事例、目安について考えてみたいと思います。

薬局における労働分配率の計算方法

一般的には労働分配率は下記のように算出されます。

労働分配率(%)=人件費÷付加価値×100

付加価値の計算が少しややこしいのですが、薬局のような小売業は付加価値=売上総利益と考えて問題ないかと思います。

つまり人件費が売上総利益の何%を占めるのかが労働分配率です。

薬局の売上総利益の算出方法についてはこちらに記載しています。
【損益計算書(PL)】薬局長が見るべき数字~薬剤師のためのマネジメント講座

労働分配率の計算例

 1店舗の保険調剤薬局を例に考えてみたいと思います。

  • 主な受付処方科目:内科 
  • 1日患者数:50〜60名程度 
  • 薬剤師人数:2名 管理薬剤師1名+パート1名
  • 調剤事務:2名(正社員)

売上総利益を計算する

  • 年間調剤報酬 1億円
  • 期首在庫金額 700万円
  • 期末在庫金額 750万円
  • 年間仕入れ薬剤金額 7800万円

売上総利益=売上−売上原価(期首在庫金額+仕入れ金額-期末在庫金額)
=1億円−(700万+7800万−750万円)
=2250万円

人件費の合計を計算する

  • 管理薬剤師(正社員)600万円
  • 薬剤師(パート)300万円
  • 調剤事務(正社員)200万円×2名

人件費合計1300万円

労働分配率を計算する

労働分配率=人件費(1300)÷売上総利益(2250)×100=57.8%

労働分配率の目安

全業種の労働分配率の平均は50%前後といわれていますが、同業種内で比較するのが一般的です。
小売業でも、薬局のように人件費が高い業種は労働分配率が高くなり、スーパーなど人件費が安い業種は低くなります。

労働分配率が低ければ低いほど少数精鋭で多くの利益を生み出しているといえますが、
保険調剤薬局のような労働集約型寄りの業種では労働分配率が低すぎるとスタッフ一人あたりの負担が大きくなり、調剤の精度が低下したり患者さんにきめ細かい対応ができなくなる可能性があります。

一方で労働分配率が高すぎても、会社にお金が残らなくなってしまいます。

開業してまもない場合は、どうしても労働分配率は高くなってしまうのは仕方がありません。
しかし、軌道にのってきた後は労働分配率は高くても60〜70%までに収めるのが理想でしょう。

複数店舗の経営者は店舗間の偏り是正にも繋がる

労働分配率の算出は、複数店舗薬局経営者が、特定の店舗に人件費が偏りすぎていないか判断する材料にもなります。

棚卸をしなければ正確に売上総利益を算出できませんので、店舗間のバランスを見るだけであれば単純に人件費÷技術料×100での算出で比較してもよいかと思います。

この記事を書いた人

伊川勇樹

伊川勇樹(いかわゆうき)

シナジーファルマ株式会社 代表取締役
薬剤師

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局にて店長、調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

「インターネットをつうじて薬学業界の発展と地域医療の活性化に貢献する」
というミッションのもと「薬剤師」と「ITベンチャー経営者」の二刀流で日々奮闘中。

1983年岡山県倉敷中央病院で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都、大阪で14年間過ごし、現在は沖縄県民。
一児の父親。

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