座薬を入れた後、ウンチが出てしまった場合はどう対応するのか?
患者Data 男児 3か月 Bw5kg 【処方内容】 アンヒバ坐剤100mg 発熱時 1回3/4個
座薬の正しい切り方はこちら「座薬の切り方」
対応した薬剤師Aは、お母様に正しい座薬の切り方も説明し、座薬を入れるタイミング※もしっかり説明。 待たせてイライラしたお母様も、薬剤師Aの丁寧な説明によって、少し表情が穏やかになって帰っていかれました。
※タイミング 熱はいつでるか予測はできないが、特別に医師から指示などない場合は 排便時や入浴後【入浴前だと座薬が溶けてでてしまう場合あるので】が適している。
しかし・・・・、
プルルルルルル♪ 一本の電話が鳴り響きました。
(投薬後、お母様よりお電話) 「あっ、先ほどの薬剤師Aさんですか??座薬を貰った○○です!! 座薬を入れたのですが、便と一緒にでてしまいました(>_<) 効果は大丈夫でしょうか??入れ直した方が良い・・・?」
薬剤師A心の声・・・さっき、便の後の方がいいって説明したのに上手く伝わってなかったのか。もう一つ使ってもらっても、さっきの患者さんイライラ機嫌悪そうだったから、効きすぎたとか、副作用とか言われたら困るし。
こんな時、欠かせないのは薬物動態!! そう考えた薬剤師Aは調剤室に駆け込み添付文書を開けました。
アンヒバの薬物動態
予想外に薬が便意などで出てくることあるので、対策としては。
① 入れて直後→座薬がそのまま、剤形が残っている場合は再度いれても可。
② 30分以上たっていたら→ほぼ吸収されているので、追加不要で様子みてください。
※医師から特別な指示がない場合で、座薬使用しても熱が下がらなければ、6時間程度あけて追加使用可です。
【マメ知識 解熱剤の意義】
発熱をしている状態は体の中に入ってきた、細菌やウィルスと戦っていて、体外へ排除しようとする免疫反応です。 なので、熱によって体力が減少している場合は、解熱剤を使用して負担を軽減することができます。 アンヒバやアルピニーの成分であるアセトアミノフェンなどの解熱剤の作用は体温調節中枢に直接作用【免疫応答の中で、発熱物質が作られ、その発熱物質によってPGという物質が作られます。このPGが体温調節中枢に働きかけ、体温を上昇させるのです。一般的に解熱剤といわれる薬は、PGの合成を阻害する働きがあり、熱が上がるのを抑えます】し、皮膚血管を拡張することにより熱放散を増大させて熱を下げます。
平熱時はほとんど体温影響しません【発熱時は発熱物質によりPGが作られるが、平常時はPGが作られないので解熱剤使用しても平熱時に影響しにくい】
また発熱中には、解熱物質が作られ脳内に増加します。このため通常の発熱では、41.5℃を超えることはほとんどなく、41.7℃を超えなければ脳や他の臓器への影響は少ないとされています。
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