小児に多い感染症の一つが水痘(みずぼうそう)です。
2014年より水痘の予防接種が定期接種となっていますので、
今後水痘の患者数は減ってくることが予想されています。
しかし、水痘は感染力が強く、予防接種をしていたとしても罹患してしまう可能性もあります。
薬局でも水疱瘡について親御さんから質問や相談を受けるケースがあるかもしれません。
疾患の特徴、治療薬、患者さんから聞かれやすい質問をまとめました。
水痘・帯状疱疹ウイルス
VZV : Varicella-Zoster Virus
水痘・帯状疱疹ウイルスは感染力が強く、飛沫感染だけでなく空気感染するのも特徴です。
感染経路の詳細についてはこちらにまとめています
幼稚園・保育園・学校の感染症対策~感染経路・病原体について
2週間前後
水痘のスタンダードな経過は下記のとおり。
1〜4mm程度の赤い丘疹(読み方:きゅうしん)ができる
↓
水疱となる
↓
1週間程度で全てがかさぶたとなる
頭→腹部・背中→四肢に広がっていくのが特徴
痒みを伴う
発熱を伴う場合もあり
自然に治癒もするが、重症化を防ぐ目的で抗ウイルス薬を投与。
発疹がでてから48時間以内に服用。
健常な小児の水痘には必ずしも抗ウイルス薬の投与は必要とされていません。
一般名 商品名 |
用法・用量 |
アシクロビル ゾビラックス顆粒 ビクロックスシロップ・顆粒 アストリックドライシロップ |
1回20mg/kg 1日4回 5日間 |
バラシクロビル バルトレックス顆粒 |
1回25mg/kg 1日3回 5日間 |
二次感染を防止するために抗菌薬の外用剤や、痒みを抑えるためのカチリ(フェノール・亜鉛華リニメント)が処方されるケースあり。
保育園はいつから行かせたらいいですか?
学校保健安全法では「すべての発疹が痂皮化する(かさぶたになる)まで」と定められています。
おじいちゃんやおばあちゃんと同居しているけどうつる可能性はありますか?
高齢者の多くは幼少期に水痘・帯状疱疹ウイルスに曝露され、抗体をもっていると考えられます。
しかし、免疫力が落ちている場合や、抗がん剤、免疫抑制剤を服用中の場合などは感染する可能性があります。
大人が水疱瘡になると重症化すると聞きました。
主人(子供の父親)が小さい頃、水疱瘡にかかったかどうかわからないのですが・・・。
子供からうつらないか心配です。
抗体を検査する方法もありますが、時間と費用がかかりますので、
抗体の検査をすることなく水痘ワクチンを接種することも選択肢の一つです。
たとえ免疫があったとしてもワクチンの副反応が強くなるわけではありませんからね。
医療関係者のためのワクチンガイドライン第2板ではウイルス曝露後72時間以内の緊急ワクチン接種で予防できる可能性があると記載があります。
参考
一般社団法人 日本環境感染学会
医療関係者のためのワクチンガイドライン 第2版
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