普段から小児科の処方を受ける薬局であれば、夜尿症に対する処方を受けた経験のある薬剤師は多いかと思います。
しかし普段小児科の処方を受けない薬局で、夜尿症の処方を受け付けた場合、どのように服薬指導すればよいのかとまどってしまうかもしれません。
薬剤師が現場で困った時に役立つ情報となるように、夜尿症の治療薬や、第一選択薬であるデスモプレシン製剤について解説していきます。
国際小児尿禁制学会(ICCS)によると、夜尿症の定義は、
5歳以降であり、
1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁があり、
3か月以上続くこと。
となっています。
5歳以前では「おねしょ」として扱われます。
夜尿症のタイプとしては、
がありそれぞれ1/3程度ずつの割合といわれています。
生活指導などの行動療法で改善がみられない場合、薬物治療がおこなわれることがあります。
夜尿症の薬物治療に使われる薬剤は下記のとおり。
薬物治療とは別に睡眠中の蓄尿量を増やす目的でアラーム療法(夜間にパンツへセンサーをとりつける)が行われるケースもあります。
夜尿症診療ガイドライン2016では、
抗利尿ホルモンのデスモプレシンを第一選択とし、抗コリン薬や三環系抗うつ薬の使用はデスモプレシン療法やアラーム療法で効果がみられない場合とされています。
また抗コリン薬はいずれも夜尿症の適応がないことから、適応外処方となります。
一部の三環系抗うつ薬には保険適応がありますが「夜尿症」に処方されている場合は、
「これはうつの薬です」と薬剤師が説明しないように注意しなければいけません。
夜尿症に適応のあるデスモプレシン製剤は下記のとおりです。
従来は鼻腔内にスプレーするタイプのみしか存在しませんでしたが、内服タイプのミニリンメルトOD錠が2012年に発売されました。
経鼻製剤では低ナトリウム血症の発症が経口製剤に比べて多いという報告があるため、欧米では経口製剤が汎用されています。
バソプレシンV2受容体に結合
↓
腎の尿細管における水の再吸収を促進
↓
バソプレシン不足による尿濃縮能の低下を改善
バソプレシンV1に比べてV2に対して選択性が高いため昇圧作用をほとんど有さないのが特徴。
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