透析患者の皮膚疾患(かゆみ)に薬剤師が気をつけること

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

透析(HD)患者はもとから併用薬も多く、排泄経路の問題もあり、処方せんを受けたらより慎重に調剤をされていることと思います。

「痒み」

透析患者の多くの方の症状(約70%以上)にかゆみがあります。

透析による痒みの原因

 

人工透析による痒みの原因は以下のように考えられています。

①皮膚の乾燥
②尿毒症物質の蓄積(透析量不足による)
③副甲状腺機能亢進症(高 PTH 血症、高カルシウム血症、高リン血症)
④透析膜や血液回路,穿刺針、絆創膏などによる刺激

症状の緩和に外用剤の他、抗アレルギー薬の投与も多くなります。添付文書上、内容によっては疑義照会が必要な薬剤もあるので、透析下における抗アレルギー薬の減量の必要性についてチェックしておきましょう。

減量の必要がない抗アレルギー薬

・セレスタミン(感染症、消化器症状に注意)
・アレジオン
・エバステル
・クラリチン
・ポララミン
・レミッチ(HDで除去されるため、HD前には内服しない)

など

減量の必要がある抗アレルギー薬

・アレロック
・アレグラ
・ジルテック
・タリオン

など

透析患者の場合、腎排泄で減量の必要のある薬剤は極力避けた方がベターでしょう。減量の必要性がない薬剤を使っていくほうが、より安定した効果が期待できると思われます。

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

30歳で製薬会社のMRを辞め、2015年4月より念願の経営者として薬局運営を始める。
薬局経営とともに、『MRファーマシスト』(MR経験を持つ薬剤師を意味する)を提唱しWEBサイトやSNSを駆使したゲンバ目線の情報発信は注目を集め【ミクス】・【デキル管理薬剤師ラボ】で連載も持つ。
2016年からは本気で薬局を開局したい人を対象に『独立開局成功塾』を東京・大阪の2拠点で開催しており、夢を持つ若手薬剤師に独自の経営ノウハウを惜しみなく提供している。

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