別の剤形や規格があることを知っていれば調剤ミスは起こさなかった・・・。
このように感じたことのある薬剤師はいらっしゃるのではないでしょうか。
私が経験した、
アスベリン散10%とアスベリンドライシロップ2%でのヒヤリハット事例
をご紹介したいと思います。
中堅の薬剤師からすれば、あたりまえの情報かもしれませんが、初めて知る新人薬剤師もいらっしゃるかと思います。
「知らなかった・・・」
によって患者さんに迷惑がかかることを防げるような情報になれば幸いです。
私が薬剤師になって2年目のころ、22時まで処方箋受付をしている薬局に遅番で一人で入っていることがありました。
調剤事務さんもおらず、一人で受付、処方箋入力、調剤、服薬指導、レジ閉めまで行わなければいけないドキドキな環境です。
ある日、普段受けない小児科からの処方箋を受付ました。
処方の一つにあったのが、
アスベリンドライシロップ2%。
薬局に備蓄しているのは、
アスベリン散10%
のみ。
アスベリンの「粉」の規格は1種類のみと思いこみ、
「在庫あります!!」
とお答えしてしまい、調剤をしてしまいました。
7歳の小児に対して、
アスベリンドライシロップ2% 1.5g/日のところをアスベリン散10%で調剤。
チペピジン1日量で30mgのところを150mgで調剤したことになりますので、5倍量となります。
成人の1日量が60〜120mgですので成人量もオーバーしていますね・・・。
考えただけでも、冷や汗がでてきます。
当時は散剤鑑査システムもなく、分包機がレセコンと連動型でなかったことから、
調剤し、分包機をガタガタ動かしている間に、レセコン入力を行いました。
レセコンに入力時に、アスベリンドライシロップのマスタを登録しないといけなかったことからミスが発覚し、未然に調剤過誤を防ぐことができました。
近年では調剤鑑査システムも入り、散剤でのミスも減ってきているかと思いますが、
鑑査システムが入っていない店舗や、新規薬剤で鑑査システムのマスタに登録していない場合などは、特に注意して剤形、規格のチェックを行なわなければいけません。
また何より、アスベリンは剤形、規格に注意しないといけない薬剤の一つだと頭に入れておくことで調剤ミスの防止にも繋がります。
ちなみに、シロップ製剤も2%と0.5%のタイプがあります。
アスベリンの粉とシロップの処方を受けた際は、要注意ですね。
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