日常臨床で多く使われているARBは比較的、安全性の高い薬剤として先生方に理解されていると思われます。
日々、継続して服用していく降圧剤としては、忍容性の高さは非常に重要なことでしょう。
薬剤師にとってもその認容性の高さから、副作用のチェックがおろそかになってしまう事もあるかもしれません。この機会にもう一度チェックしてみましょう。
●妊婦や授乳婦への投与は禁忌
●重症肝障害患者には慎重投与(各ARBの排泄経路により表現の違いあり)
●両側性腎動脈狭窄例または単腎で一側性腎動脈狭窄患者には慎重投与
上記病態の方は腎の糸球体輸入細動脈圧が低下しております。
このような状態では、血中や腎のアンジオテンシンIIの作用で輸出細動脈が収縮することにより、かろうじて糸球体濾過圧が保持されています。
ARBが投与されると、輸出細動脈が弛緩して糸球体濾過圧が低下するため、腎血流量が減少します。
すなわち、腎機能がさらに悪化するおそれがあるのです。
【ワンポイントチェック】
ARBには腎保護作用があると聞くけどどういう作用??
ARBには、輸入細動脈(糸球体に血液が入ってくる血管)よりも輸出細動脈(糸球体から血液が出て行く血管)を拡張させる作用があります。つまり、糸球体にかかる内圧を下げる効果があります。
糸球体内圧を下げることで長期的に腎臓の負担を軽減することにより腎保護効果が生まれます。
ARBの副作用は?
●血管浮腫
ACE阻害薬は、キニナーゼを阻害するため組織でのブラジキニンが上昇し、血管透過性亢進を引き起こし浮腫が発症すると考えられ、その発生頻度は我が国で0.1~0.5%といわれています
ARBは作用機序からは、発生は考えにくいが報告があります。空咳も同様起きにくいだけで報告はあります。
●高カリウム血症
ARBの作用機序からアルドステロンの低下がおきます。カリウムの排泄低下により、血清カリウム値の上昇が起きてしまいます。臨床では、クロレラ・青汁のようなカリウムが豊富な食事のチェックは必要でしょう。
高カリウム血症予防も考慮しサイアザイド系利尿剤との組合せ(合剤)も多く処方されています。
まだ添付文書上、報告のある副作用がありますが、主なものを紹介させて頂きました。
ARBについてかなり学んできました。次回は、ACE阻害剤とARBの違い?についてまとめてみます。
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