ジクトルテープはシップの63枚処方制限を受けるか?査定・返戻の対象になる?

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

ジクトルテープ75mg(一般名:ジクロフェナクナトリウム 75mg)は「がんにおける鎮痛」を適応として販売スタートされました。

2022年6月に「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎」の効能・効果を取得し、適応拡大したことから、整形外科からの処方を受付するケースもあるかと思います。

私の薬局でも整形外科の処方を多く受けることから、ジクトルテープの処方を受ける機会が増えております。

はじめに私が疑問に思ったのが、
「ジクトルテープは湿布薬の63枚制限があるのかどうか」
「63枚を超えた場合、返戻や査定の対象となるのかどうか」
でした。

結論から言いますと、
ジクトルテープは湿布薬同様に63枚制限があります。
ただし、がんによる鎮痛の目的の場合は63枚の規制を受けません。

上記については2023年4月の疑義解釈にて全国共通ルールとして明確になりました。

ジクトルテープは全身作用を有する経皮吸収薬であり、薬効分類上は「湿布薬」に該当しないことから、 2022年の適応拡大当初は63枚制限を受けないのではないかと私は考えておりました。

メーカーのDIに問い合わせても、
「湿布薬扱いでないため通常は63枚制限とならないと考えるが地域の支払基金の判断による」
とのことでした。

一方で担当MRさんからは、
「ジクトルテープは他の鎮痛剤を減らす目的でもあるので湿布薬と同じく63枚制限となる可能性が高い」
との見解でした。

メーカーのDIと担当MRの答えに乖離があり、モヤっとしておりましたが、 2023年4月に「ジクトルテープは湿布薬同様に63枚制限となる」と明確になりスッキリとしました。

ジクトルテープ単独の処方だけでなく、他の湿布薬との合計が63枚以上の場合も、査定・返戻の対象となりますので、注意しなければいけませんね。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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