ノバルティス ファーマ株式会社は、ドパミンの前駆体であるレボドパ、ドパ脱炭酸酵素阻害剤(DCI)であるカルビドパ水和物、および末梢COMT(カテコール-O-メチル基転移酵素)阻害剤であるエンタカポンの3成分を1剤に配合した「スタレボ®配合錠 L50、L100」の製造販売承認を取得した。
パーキンソン病は、50~60歳代で発症することの多い、中脳黒質のドパミン産生神経細胞が変性・脱落する進行性の神経変性疾患で、国内における患者数は約15万~18万人と推定されている。
パーキンソン病の治療ではドパミンを補充するレボドパの経口投与が中心である。レボドパの末梢での代謝を阻害する目的で、レボドパ・DCI配合剤が広く用いられている。
しかし、疾患の進行に伴いレボドパの薬効持続時間が短縮し、次の服薬前に効果が消失するwearing off現象が認められる事がある。この短縮したレボドパの薬効持続時間を延長させる目的で、もうひとつの末梢でのレボドパ代謝酵素であるCOMTを阻害するエンタカポンをレボドパ・DCI配合剤と併用する治療が開発され、この組み合わせは、wearing off現象を改善する治療として、「パーキンソン病治療ガイドライン2011」においても推奨されている。
「スタレボ」は、DCIであるカルビドパとCOMT阻害剤という2種類のレボドパ代謝酵素を阻害する成分を含む新たなレボドパ配合剤であり、嚥下機能の低下が認められるパーキソン病患者にとって服薬アドヒアランスの向上が期待できる薬剤だ。
製品名
「スタレボ®配合錠 L50、L100」(Stalevo® Combination Tablets L50/L100)
一般名
レボドパ/カルビドパ水和物/エンタカポン(Levodopa/Carbidopa Hydrateica/Entacapone)
効能又は効果
パーキンソン病 〔レボドパ・カルビドパ投与において症状の日内変動(wearing-off現象)が認められる場合〕
用法及び用量
成人には、レボドパ・カルビドパ・エンタカポンとして1回50mg/5mg/100mg~200mg/20mg/200mgの間で1回1又は2錠を経口投与する。
なお、症状により用量及び投与回数を調節するが、1日総レボドパ量として1,500 mg、総カルビドパ量として150 mg、総エンタカポン量として1,600 mgを超えないこと。また、投与回数は1日8回を超えないこと。
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