2014年1月17日、キッセイ薬品工業株式会社はアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出による組織障害を抑制する治療薬「サビーン®点滴静注用500mg」(一般名:デクスラゾキサン)の製造販売承認を取得した。
デクスラゾキサンは厚生労働省による「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高い薬剤と評価され、開発企業の公募が行われた薬剤の一つである。
癌治療のにおいて、化学療法により血管が脆弱化するとともに、循環障害等により、静脈内投与される抗悪性腫瘍剤が血管外に漏出しやすい状態にある。アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出時の対処法としては、漏出液の吸引、副腎皮質ステロイド等による薬物療法、冷罨法(れいあんぽう)、外科的処置等を組み合わせるが、これらの処置・治療法の大部分は明確なエビデンスがなく、現在国内で血管外漏出に対する効能・効果を有する薬剤がない。
デクスラゾキサンについて
デクスラゾキサンは、細胞核に存在する酵素のトポイソメラーゼⅡの働きを阻害する薬剤である。アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤は細胞の成長や増殖に必須な酵素「トポイソメラーゼ」と結合すること等により抗腫瘍効果を示す。デクスラゾキサンは、トポイソメラーゼⅡの働きを阻害することにより、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出によって生じる副作用(発赤や腫脹による疼痛、炎症の進行によって皮膚の壊死や難治性の潰瘍に至る)を抑制すると考えられている。
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