第一三共株式会社は、日本国内において、天然型テトラヒドロビオプテリン製剤「ビオプテン®顆粒10%」(一般名:サプロプテリン塩酸塩、薬価基準収載日:本年11月29日)を発売したと発表した。
ビオプテンは生体内に存在する天然型テトラヒドロビオプテリン(以下BH4)を化学的な方法で高純度に合成し、製剤化したもので、異型高フェニルアラニン血症(1992年3月承認)およびBH4反応性高フェニルアラニン血症(2008年7月効能追加承認)の患者において、血清フェニルアラニン値を適正な値に維持する。
これまではビオプテン®顆粒2.5%製剤を用い、BH4反応性高フェニルアラニン血症の患児に対して、1日に体重1 kgあたり1包が投与されていたが、成長に伴う体重増加によって、1日に服用する分包数が非常に多くなる問題があった。アドヒアランス向上や大量処方に伴う物理的負担の軽減の為、高含量製剤として1包中(1 g)サプロプテリン塩酸塩100 mgを含有する「ビオプテン®顆粒10%」を開発した。
高フェニルアラニン血症とは?
高フェニルアラニン血症は、必須アミノ酸の一種であるフェニルアラニンの代謝異常により血液中のフェニルアラニン濃度が上昇する疾患である。先天的な遺伝子の異常が原因であり、出生後治療せずに過ごしてしまうと、精神発達障害等の不可逆的な中枢神経障害を引き起こすと言われている。
原因は下記の2つと言われている。
①フェニルアラニンを代謝する酵素の働きを助ける物質(BH4)が生まれつき無い場合(異型高フェニルアラニン血症)
②フェニルアラニンを代謝する酵素が生まれつき変異しているために働きが悪い場合
①はBH4による治療が可能であり、後者の一部でも生体内のBH4濃度を上げることによりフェニルアラニンを代謝する酵素の働きが回復する場合がある。
日本人における発症頻度は1/80,000人という希少疾患である。
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