抗精神病薬「エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)」について小児期の自閉性障害に伴う興奮性に対する効能・効果追加申請、および「エビリファイ錠1mg」の剤形追加申請を国内で行ったと発売元の大塚製薬が2015年12月7日にプレスリリースで発表しました。
自閉症とは?
発達障害の1つとして位置づけられており、
・社会性の発達の障害
・コミュニケーションの障害
・活動と興味の偏り
といった症状が、3歳未満に現れる先天性の疾患であります。
またこれらの主症状に加え、
・攻撃性や自傷行為などの興奮性
・常同行動
・強迫行動
などの行動障害がみられます。
大塚製薬によると国内の自閉症の患者数は約21,000人であり、中等度から重度の興奮性は全体の20%にみられると報告されているそうです。また興奮性に対する治療薬がほとんどないのが現状です。
なぜエビリファイが自閉症の興奮に効果があると考えられるのか?
エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)は、
ドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用(部分作動)といわれ、ドパミンの活性が過剰である場合は抑制し、逆にドパミン活性が低下している場合には増加させる働きがあります。
自閉症による興奮性はドパミン神経系の関与があるといわれており、エビリファイの抗ドパミン作用が興奮性に効果があると考えられています。
現在の適応は?
・統合失調症
・双極性障害における躁症状の改善
・うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
(2015年現在)
医療上の必要性の高い薬として開発
アメリカでは2009年に自閉性障害に伴う興奮性の承認を取得しています。2011年より日本において医療上の必要性の高い薬として開発が要望されており、今回の開発・承認申請に至ったとのことです。
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