敷地内薬局とは?特別調剤基本料の対象となる薬局について

この記事を書いた人

寺本 卓矢(てらもと たくや)

【所属】
いちょう薬局株式会社 経営戦略本部人材採用担当
シナジーファルマ株式会社 法人営業部関東ブロック統括
株式会社PHAIND 執行役員
【資格】
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
【出身大学】
日本薬科大学 薬学部 卒業

昨今、国の方針では門前薬局でなく面分業の薬局を推奨する傾向が見られます。

しかし敷地内薬局が容認され現在では大型病院を中心に多くの敷地内薬局が存在します。

2018年度調剤報酬改定では病院での敷地内薬局では著しく基本料が下げられ話題になりました。
2020年度調剤報酬改定では病院だけでなくクリニックや診療所内も対象になりました。

敷地内薬局としての基本料(特別調剤基本料)に該当するクリニックや診療所の敷地内薬局は平成30年4月1日以降に開局されたものです。
しかし保険医療機関に対し保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している保険薬局である場合は開局時期に関わらず特別調剤基本料になります。

医療機関と同じ敷地内に薬局を開局すると「敷地内薬局」というイメージがありますが、
医療機関と同じ敷地内にある薬局=基本料が下げられる」わけではありません。

では、敷地内にある薬局で「特別調剤基本料」の対象となるのはどのようなケースなのでしょうか。

定義としては「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局。加えて当該医療機関の集中率70%を超えるとき」です(2020年度調剤報酬改定時点)。

そして疑問になるのが「不動産取引等その他の特別な関係」とは何か・・・

  • 当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合
  • 当該保険医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。)を利用して開局している保険薬局
  • 当該保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している保険薬局である場合
  • 当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した保険薬局である場合

不動産の賃貸借取引関係には薬局の建物以外に「駐車場」も対象になっているので注意が必要です。

「当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係」ですが、医療機関と薬局が直接契約している場合はもちろんですが、下記のケースでも対象となります。

保険薬局が医療機関の土地を借りているとみなされるケース

  • 賃貸契約の名義人が医療機関の開設者の近親者(2親等以内)
  • 医療機関(法人)の役員が賃貸契約の名義人となっている場合
  • 第三者を間に介した又貸し

医療機関が保険薬局の土地を借りているとみなされるケース(隣接している場合)

  • 賃貸契約の名義人が薬局の開設者の近親者(2親等以内)
  • 薬局(法人)の役員が賃貸契約の名義人となっている場合
  • 第三者を間に介した又貸し

ちなみに同じ敷地内でも同一建物内の薬局(医療モールなど)は「特別調剤基本料」の対象外になっています。

何となくイメージは分かったでしょうか。

2年に一度の改定のたびに基本料に関するルールは変わってきます。
自身が勤めている薬局はもちろんですが、どういった薬局がどの基本料に該当するか理解することも薬局薬剤師には必要な知識かもしれません。

この記事を書いた人

寺本 卓矢(てらもと たくや)

【所属】
いちょう薬局株式会社 経営戦略本部人材採用担当
シナジーファルマ株式会社 法人営業部関東ブロック統括
株式会社PHAIND 執行役員
【資格】
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
【出身大学】
日本薬科大学 薬学部 卒業

【サイト】

【紹介文】
薬局での薬剤師業務の傍ら新店舗開発や人事採用、人材採用コンサルタント業務を行う。

薬剤師として常に新たなチャレンジをしながら医療業界、特に調剤薬局と薬学生に対して貢献できるよう業務を行う。

現在は新たに薬学生向けコンテンツサイト(薬学ステップ)を開設。

薬学生向けイベント企画運営なども手掛けている。

調剤薬局人材採用アドバイスやイベント企画、お仕事の依頼はこちら
info@phaind.jp

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