【前立腺癌治療薬】ダロルタミド(ニュベクオ)作用機序・調剤・服薬指導のポイント

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

前立腺がんの増殖には男性ホルモン(アンドロゲン)が関与していることから、前立腺癌治療にはアンドロゲンの合成を抑えたり、アンドロゲンの働きを抑える抗アンドロゲン薬が使用されるケースがあります。

「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)」として2020年1月に効能・効果を取得したのが、ダロルタミド(商品名:ニュベクオ)です。

エンザルタミド(商品名:イクスタンジ)、アパルタミド(商品名:アーリーダ)と同じ第二世代抗アンドロゲン薬となっています。

ダロルタミド(商品名:ニュベクオ錠)の作用機序や調剤時、服薬指導でのポイントをまとめました。

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作用機序

  1. アンドロゲン受容体(AR)へのアンドロゲンの結合を競合的に阻害
  2. アンドロゲン受容体(AR)の核内移行を阻害
  3. ARとDNA上の転写因子結合領域との結合を阻害(転写活性を阻害

上記によって、アンドロゲン受容体(AR)を介したシグナル伝達を阻害しアンドロゲン依存性悪性腫瘍の増殖を抑制します。

調剤・服薬指導のポイント

  • 通常は1回600mg を1日2回食後に経口投与
  • 食後投与時のCmaxは空腹時投与と比べて約2.5~2.8倍、AUC0-tlastは約2.5倍
    食後投与の縛りがあり
  • 主にCYP3A4によって代謝
    強いCYP3A誘導薬(リファンピシン、カルバマゼピ ン、フェノバルビタール等)と併用注意
  • BCRP、OATP1B1及び OATP1B3の基質となる薬剤(ロスバスタチン、フルバスタチ ン、アトルバスタチン)の血中濃度が上昇し副作用が増強する可能性があるため併用注意
  • 重大な副作用として不整脈などの心臓障害

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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