【女性の味方になれる薬剤師シリーズ】ホルモン療法中の女性患者さんに薬剤師としての対応は??(副作用編)

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

ホットフラッシュ
これは体温調節の機能が弱くなるために生じるもので、急に汗が噴き出したり、顔がほてって赤くなったりします。軽いものを含めると50%以上出現。数か月過ぎると次第に軽減してくるようです。
ビタミンE製剤や抗うつ薬(パキシル)、抗てんかん薬(ガバペン)が効くという報告もあります。
(適応外使用になるので確認が必要です)

また、パロキセチンはタモキシフェンと相互作用があるので併用はできません。
あるいは、アロマターゼ阻害薬は、ホットフラッシュの発生する頻度がタモキシフェンより低いことがわかっているので、閉経後の患者さんではアロマターゼ阻害薬に変更するのもよいかもしれません。

【ホットフラッシュに対する薬剤師の一歩進んだ服薬指導】
このお薬の飲みはじめに特に、ほてりやのぼせ、発汗の症状がでることがあるみたいです。
(患者さんの気持ちに寄り添いながら)お出かけの際は、脱ぎ着しやすい服装で生活を送られるといいかもしれません。扇子やタオルを携帯するようにしたり症状がひどいときは我慢せずにいつでも相談して下さい。

関節痛や骨・筋肉の症状
エストロゲンは骨を健康的に保つように働いています。アロマターゼ阻害薬やLH-RHアゴニスト製剤はエストロゲンを減らすため、骨密度が低下し、骨折を起こしやすくする可能性があります。
一方、タモキシフェンは骨に対して保護的に働きますので、骨が丈夫になります。

精神・神経の症状
ホルモン療法により、頭痛、気分が落ち込む、イライラする、やる気が起きない、眠れないなどの症状が現れることがあります。睡眠薬や気分を安定させる薬が処方されることがあります。特にタモキシフェンとうつ関しては関連性が一定の見解がでていない状態です。それ以外のホルモン剤との関連については報告がありません。

服薬指導中も患者さんの普段からの変化を気にして接することが重要です。
服用期間が長くなることが多いので、患者さんの変化に気をつけて、アドヒアランスの向上に患者さんと接していきましょう

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

30歳で製薬会社のMRを辞め、2015年4月より念願の経営者として薬局運営を始める。
薬局経営とともに、『MRファーマシスト』(MR経験を持つ薬剤師を意味する)を提唱しWEBサイトやSNSを駆使したゲンバ目線の情報発信は注目を集め【ミクス】・【デキル管理薬剤師ラボ】で連載も持つ。
2016年からは本気で薬局を開局したい人を対象に『独立開局成功塾』を東京・大阪の2拠点で開催しており、夢を持つ若手薬剤師に独自の経営ノウハウを惜しみなく提供している。

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