乳がんにはホルモン剤が効く乳がんと効かない乳がんがあります。
針生検や切除組織でホルモンレセプターを検査すれば分かります。ホルモンレセプターには、エストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプターの2種類があります。ホルモン療法が効くのは、2種類の両方またはいずれかが陽性の人です。その割合は60~70%と言われています。
今回は内服患者の多いホルモン療法について紹介していきたいと思います。
☆閉経前は抗エストロゲン薬を中心に☆
【LH-RHアゴニスト製剤】
酢酸リュープロレリン(リュープリン)、酢酸ゴセレリン(ゾラデックス)
【抗エストロゲン薬】
タモキシフェン(ノルバデックス)、トレミファン(フェアストン)
日本の『乳癌診療ガイドライン2013』では、ホルモン療法を単独で行う場合も、抗がん薬療法を組み合わせる場合においても、タモキシフェンを単独で5年間(推奨グレードA*)
LH-RHアゴニスト製剤とタモキシフェンの併用(推奨グレードC1)
LH-RHアゴニスト製剤の単独使用はエビデンスが不十分とされています。
(*推奨グレードは下記を参照)
☆閉経後はアロマターゼ阻害薬を中心に☆
【アロマターゼ阻害薬】
アナストロゾール(アリミデックス)、エキセスメタン(アロマシン)、レトロゾール(フェマーラ)
日本の『乳癌診療ガイドライン2013』では、アロマターゼ阻害薬を5年間用いることを強くすすめています(推奨グレードA)。また、すでにタモキシフェンを2~3年使ってきた人も、閉経が確認されればアロマターゼ阻害薬に薬を変えて、合計5年間用いる(推奨グレードA)
ホルモン療法について理解することにより、患者さんがどれくらい内服を続けていかないといけないかを薬剤師としてしっかりフォローしていきましょう
<推奨グレード>
A: 十分な科学的根拠があり、積極的に実践するよう推奨する
B: 科学的根拠があり、実践するよう推奨する
C1:十分な科学的根拠はないが、細心の注意のもと行うことを考慮してもよい
C2:科学的根拠は十分とはいえず、実践することは基本的に勧められない
D: 患者に不利益が及ぶ可能性があるという科学的根拠があるので、実施しないよう推奨する
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