関節リウマチの治療薬は「Disease Modifying Anti-Rheumatic Drugs」の頭文字をとって、
「DMARDs(読み方:ディーマーズ)」
と呼ばれます。
その中でも、従来型抗リウマチ薬は、
csDMARDs
cs = conventional synthetic(従来型のという意味)
といわれます。
csDMARDsは大きく免疫抑制薬と免疫調整薬に分けられます。
これらの薬剤の特徴と薬局で薬剤師が注意することについて、メモ書きとして残しておきたいと思います。
服薬指導にも役立つ情報になれば幸いです。
生物学的製剤(bDMARDs)はこちらにまとめています。
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「抗リウマチ薬」生物学的製剤・bDMARDs一覧・作用機序
免疫抑制薬と免疫調整薬の一覧です。
薬歴には時間短縮のためにも略号での記載がオススメです。
免疫抑制薬
免疫調整薬
関節リウマチのアンカードラッグに位置付けられる。
効果発現まで4〜8週間要する場合がある。
週1〜2回の間欠投与。
5〜6日の休薬が必須のため、毎日投与の処方の場合は疑義照会が必要。
葉酸拮抗薬。
口内炎、悪心などの消化器障害、肝障害などの副作用防止のために24時間〜48時間の間隔をあけてフォリアミンが投与されることがある。
葉酸を含むサプリメントは避ける。
ただし食事からの葉酸摂取は問題ない。
妊娠中には禁忌。
週に1〜2日の服用のため飲み忘れがある患者が多い。
そのため予め飲み忘れの対応を主治医と決めておくのが良い。
(通常飲み忘れ時は飛ばして次回から正しい用量で服用)
薬局では腎機能・肝機能の経過、
咳・発熱などの感染症の有無の確認。
食道に停滞すると潰瘍を起こす可能性があるため就寝前は避けて多めの水(コップ1杯の水)で服用。
できる限り禁酒。
内服当日だけでもお酒は避けるよう指導。
脱水で副作用が出やすくなるので、夏・冬問わずにこまめな水分補給を指導。
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メトトレキサートとフォリアミン(葉酸)の併用理由・間隔・薬局での注意点
T細胞に作用し、TNF-α、IL-1,2,6、INF-αなどのサイトカイン産生を抑制。
MTXのような核酸合成阻害薬ではない。
関節リウマチには「既存治療で効果不十分な場合」に限定。
通常は1日1回夕食後の投与。
効果発現まで4〜8週間を要する場合がある。
妊婦には禁忌。
グレープフルーツ、セイヨウオトギリソウと併用注意。
CYP3A4で代謝、CYP3A4を誘導する薬剤との併用に注意。
免疫機能(リンパ球など)に働き、免疫が亢進している時は抑制し、免疫が低下している時は増強する働きをする。
関節の腫れ炎症を抑える。
効果発現は1〜3ヶ月を要する場合がある。
新規処方時には「すぐには効果を実感できない」と説明しないといけない。
SH基を有するため卵の腐ったような独特の匂いがある。
先発品のリマチルだとコーティングされて匂いが感じにくいが、ジェネリックでは匂いが気になる方もいるためジェネリックへの変更は慎重に。
皮膚障害(皮疹)、胃腸障害、肝・胆道系障害の副作用は服用後3ヶ月以内に多いため飲み始めは特に副作用を観察を。
尿蛋白がでる場合は薬剤中止となるので定期的な尿検査が必要。
黄色爪もブシラミンの特徴的な副作用として出現するケースあり。
免疫を正常に近づけていくため効果発現まで1〜2ヶ月を要する場合がある。
新規処方時には「すぐには効果を実感できない」と説明しないといけない。
皮膚障害(皮疹)、胃腸障害、肝・胆道系障害、血液障害の副作用は服用後3ヶ月以内に多いため飲み始めは特に副作用を観察を。
成分により、尿、汗が黄色から黄赤色に着色する可能性があることも伝えると良い。
Bリンパ球に直接作用し、免疫グロブリン(IgG、IgM)の産生を抑制し、また単球/マクロファージに作用し、TNFα、IL‒1β、IL‒6 などの炎症性サイトカインの産生を抑制。
免疫抑制薬に比べてリンパ球の増殖抑制作用が弱いことから免疫調整薬に位置付けられる。
ワルファリンと禁忌。
妊婦に禁忌。
肝機能検査を投与前、投与中は定期的に行う必要がある。
元々、NSAIDsとして開発が進められたこともあり、NSAIDs(ロキソプロフェン、ジクロフェナクNa、セレコキシブ等)とは併用注意。
理由は、両剤によるプロスタグランジン生合成阻害作用により腎障害の発現増加が認められているため。
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