こんにちは。
メディカルライターの杉本進悟です。
2016年6月17日に厚生労働省からセルフメディケーション税制対象品目の公表がありました。
セルフメディケーション税制について、厚生労働省の資料を抜粋します。
適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組(※1)を行う個人が、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る一定のスイッチOTC医薬品(※2)の購入の対価を支払った場合において、その年中に支払ったその対価の額の合計額が1万2千円を超えるときは、その超える部分の金額(その金額が8万8千円を超える場合には、8万8千円)について、その年分の総所得金額等から控除する。
(※1)特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診
(※2)要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品 (類似の医療用医薬品が医療保険給付の対象外のものを除く。)
(注) 本特例の適用を受ける場合には、現行の医療費控除の適用を受けることができない。引用元 厚生労働省
要約すると、
・スイッチOTCを年間1万2千円以上購入すると、1万2千円を超えた分は所得控除しますよ。
・ただし健診をちゃんと受けている人に限りますよ。
・控除額の上限は8万8千円なので10万円以上購入してもそれ以上の節税効果はありませんよ。
ということです。
個人的な見解ですが、これは禁煙を推奨するということに他ならないと思います!
今回のセルフメディケーション税制が禁煙治療の追い風になると考える理由は大きく2つあります。
・セルフメディケーション税制の対象はスイッチOTC限定のためリアップやアンチスタックスのようなダイレクトOTCやサプリメントが除外されている 。
・年間OTC購入額のうち対象項目の平均金額は一世帯当たり約4000円※程度のため普通に生活していて1万2千円以上対象商品を購入している人は多くないと思われる。
※e-statsより2014年保険医療の項目のうちスイッチOTCに当たると思われる感冒薬、胃腸薬、外傷・皮膚病薬の合計から算出
今回調べるまで知らなかったのですが、ニコレットパッチは製造終了したんですね。
なので今回はニコチネルパッチ、ニコチネルのガム製剤、ニコレットの3製剤で禁煙した場合を比較しました。価格はe健康ショップさんの2016年6月19日現在の価格で表記しています。
通常は最初の6週間はニコチネルパッチ20を1日1回、1枚を起床時から就寝時まで貼付し、 次の2週間はニコチネルパッチ10を1日1回、1枚を起床時から就寝時まで貼付します。
禁煙治療にかかる金額
ニコチネルパッチ20(14枚入)×3箱 ニコチネルパッチ10(14枚入)×1箱
5832円×3箱+5184円×1箱=22680円(税込)
ガムの場合は必要な個数が人によって異なるので計算が難しいのですが、 1日の喫煙本数が20本以下の方の目安が1日4~6個で標準的な治療期間が3か月程度となっているようですので最大150個程度必要とすると
禁煙治療にかかる金額
ニコチネルガム50個入り×3箱
3980円×3箱=11940円(税込)
ニコレットの場合も1日の喫煙本数が20本以下の方の目安は同じですので150個程度必要とすると
禁煙治療のかかる金額
ニコレット48個入り×3箱
4752円×3=14256円(税込)
セルフメディケーション税制と禁煙補助薬についてまとめました。
年間1万2千円を超えると風邪薬でも対象となりますので節税効果もそれなりにあると思います。
禁煙補助薬は比較的高価ですので今まで使わなかったいう方の中にも「少しでも金銭的負担が減るのなら禁煙に挑戦してみよう」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どの製剤で始めるとしてもセルフメディケーション税制の対象となるので薬局でも積極的に禁煙を勧めてみてはいかがでしょうか。
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