クレアチンキナーゼ(Creatine Kinase)は筋収縮に関わる酵素です。
骨格筋、心筋、脳細胞に存在し、細胞が傷害されると放出されます。
筋力量に左右されるため、通常は男性のほうが数値が高くなります。
2つのサブユニットを持ち、M(Muscle)B(Brain)の組み合わせでCK-MM,CK-MB,CK-BBの3種類のアイソザイムが存在します。
アイソザイムの存在比としては脳細胞ではCK-BBがほぼ100%、心筋細胞ではCK-MBが20%、CK-MMが80%、骨格筋ではCK-MMがほぼ100%と言われています。
CKが高値を示した際にアイソザイムを調べることで障害臓器を推測することができます。
CK-BBに関しては血液脳関門があるため脳が障害を受けたとしても通常採血で上昇することはほとんどないとされています。
男性で30~190 IU/L程度
女性で20~150 IU/L程度
脱水、熱中症、運動(筋肉痛)、横紋筋融解症、筋炎、筋ジストロフィー、甲状腺機能低下症、心筋炎、心筋梗塞、悪性高熱症、悪性症候群など
マラソンなどの運動では疾患がなくても10,000U/L程度まで上昇することもありますので運動歴の確認は必ず行いましょう。運動していなくても1,000U/L程度で自覚症状がない場合は経過観察となることが多いようです。CK-MBが10%以上を占める場合は心疾患が疑われます。
厚生労働省が発表している重篤副作用対応マニュアル横紋筋融解症では以下の薬剤が注意喚起されています。服用開始から数ヶ月後に発症することが多いので長期間服用していても常に確認をするようにしましょう。
プラバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチンなどのHMG-CoA還元酵素阻害薬は最も報告数が多く、数ヶ月かけて徐々に進行することが多いとされています。
ベザフィブラート、フェノフィブラートなどのフィブラート系高脂血症治療薬はHMG-CoA還元酵素阻害薬ほどではないものの報告が多いです。数ヶ月〜数年後に報告をされることが多いようです。
ニューキノロン系薬剤では横紋筋融解症を服用後数日以内に発症するため注意が必要です。
ハロペリドールなどドーパミンD2受容体遮断作用の強い抗精神病薬において頻度が高いと言われています
サクシニルコリン(スキサメトニウム)などの脱分極型筋弛緩剤、ハロタン、イソフルラン、エンフルラン、セボフルランなど揮発性の吸入麻酔薬により横紋筋融解症が報告されています。
利尿剤、緩下剤、グリチルリチン製剤(甘草を含む漢方薬)などが該当します。アルコールによる横紋筋融解も低カリウム血症が影響しています。
参考文献
重篤副作用疾患別対応マニュアル横紋筋融解症
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