閉経後骨粗鬆症の治療に処方される薬剤がSERM、読み方は「サーム」です。
SERMの一覧、作用機序、服薬指導のポイントについてまとめてみました。
一般名 | 商品名 |
ラロキシフェン | エビスタ錠60mg |
バゼドキシフェン | ビビアント錠20mg |
SERMは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(Selective Estrogen Receptor Modulator)の頭文字をとったもので、「閉経後骨粗鬆症」の治療薬として処方される薬剤です。
エストロゲンは破骨細胞に直接作用し、骨吸収を抑える働きがあります。
しかし、閉経によってエストロゲンの分泌が低下すると、本来エストロゲンによって抑えられていた破骨細胞の働きが活発になり、骨密度が低下し骨粗鬆症となってしまいます。
単純に閉経によるエストロゲンの分泌低下をエストリオールのようなエストロゲン製剤で補えばよいのですが、エストロゲン製剤は乳房や子宮にも作用することで乳がんや血栓症などの副作用が問題になります。
SERMは骨や脂質代謝ではエストロゲン様作用により骨折防止効果を示し、子宮や乳房では抗エストロゲン作用を示し乳がんの発症リスクを抑えます。このようにSERMは体に悪影響がでないように、アゴニスト、アンタゴニストと働きを変えるのが特徴です。
ラロキシフェン(商品名:エビスタ)の有効性、安全性、忍容性の改善を目的として創薬されたのがバゼドキシフェン(商品名:ビビアント)とされています。
・飲み忘れに気づいたらすぐに1回分服用
・筋痙攣(下肢)、ほてり、乳房の張り、吐き気、多汗があれば要相談
・長時間にわたり飛行機や車に乗る(長時間不動状態)場合は事前に相談
・確率は高くないが重大な副作用である静脈血栓塞栓症(VTE)に注意(飲み始め1年目が発現率高い)
・静脈血栓塞栓症(VTE)の分類
〔深部静脈血栓症(DVT)肺塞栓症(PE)網膜静脈血栓症(RVT)〕
・VTEの具体的症状
足の痛み・むくみ(DVT)、突然の呼吸困難、息切れ、胸の痛み(PE)、急な視力低下(RVT)
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