週1製剤アレンドロン酸ナトリウム(ボナロン・フォサマック)を連日服用したインシデント事例

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

70代 女性

週1回のアレンドロン酸ナトリウム35mgを間違えて毎日飲んでしまった

私が服薬指導した患者様で実際にあったケースをご紹介します。

週1回のビスホスホネート製剤を連日服用してしまったと来局されました。

以前もアレンドロン酸ナトリウム35mgを服用されており、
旦那様の介護の関係でしばらく受診ができず、数ヶ月ぶりに再開となりました。

服薬指導の際は、毎週土曜日の起床時に服用することを説明し、服用歴もあることから週1回起床時の飲み方も理解されている様子でした。

しかし、薬袋の記載が「1日1回起床時」となっていたため、週1回服用のアレンドロン酸ナトリウム35mgを4日連続で服用してしまったと来局されました。

幸いにも胃腸障害など体調変化はなく、主治医にも状況を報告し、今後の経過観察を行うと共に、服用違い、忘れなどある場合は、月1回製剤や注射・点滴などへの変更いただくよう提案しました。

ボナロン錠の販売元である帝人ファーマさんの情報では、
アレンドロン酸を過量服用した場合は、上部消化管障害(胃不調、胸やけ、食道炎、胃
炎、又は潰瘍等)
や、低リン酸血症低カルシウム血症の発現に注意して経過を見ていく必要があるとのことです。

また、ボナロン錠のインタビューフォームにて

市販後での世界的な定期的安全性最新報告(PSUR)において、アレンドロネート70 mg(海外で承認されているが、本邦では過量投与に該当する)を約 45 日間の連日投与によっても副作用は認められなかったとの報告例がある。

との記載もあります。

今後は再発防止のために

  • できる限り薬に日付を書くこと
  • 薬袋に週1回のスタンプを押印すること
  • 初回の方でなくても週に1回・起床時の服用方法・服用状況の確認を行うこと

をスタッフ間で共有しました。

上記のスタンプを購入し、薬袋に押印するようにしております。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

薬局薬剤師としては、新規開業、継承に携わった経験、管理薬剤師としての経験を活かし、現在福岡県内でティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

記事作成のサイトポリシーについてはコチラ

この投稿者の最近の記事

「伊川勇樹」のすべての投稿記事を見る>>

コメント欄ご利用についてのお願い

  • 薬剤師、薬学生、調剤事務、医師、看護師といった医療に携わる方が使用できるコメント欄となります。
  • 「薬剤師の集合知」となるサイトを目指していますので、補足・不備などございましたらお気軽に記入いただけると幸いです。
  • コメントの公開は運営者の承認制となっており「他のユーザーにとって有益な情報となる」と判断した場合にのみ行われます。
  • 記事に対する質問は内容によってお答えできないケースがございます。
  • 一般消費者からの薬学、医学に関する相談や質問は受けつけておりません。

※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。

お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。

ページトップに戻る