こんにちは。薬剤師バーテンダーのスギです。
市販の頭痛薬と言えば、バファリン、ロキソニンなどNSAIDsの類が圧倒的シェアを誇るのでしょうが、薬の専門家である薬剤師としては漢方処方をおすすめする引き出しも持っておきたいものです。
そこで今回は「頭痛に効く漢方薬」について、提案処方をご紹介したいと思います。
まず漢方における頭痛の考え方ですが、「清陽の府」というものがあります。
清陽とは脳を働かせるためのエネルギー・栄養物質のことですが、これが何らかの原因で脳に届かなくなることで頭痛が起こるという割とシンプルなものです。
次いで原因についてですが、これには3点あり、順に挙げますと、ストレス・冷え・水毒となります。
以下、メカニズムを少し具体的に。
自律神経の乱れが脳血管運動に影響を及ぼすことで頭痛が発生する。高血圧による頭痛もコレ。
冷えを感じて血管が収縮し、これが清陽のバランスに影響を与え頭痛が発生する。
水分の過剰摂取などにより水分が停滞する。これにより清陽も停滞を起こし頭痛が発生する。
次いで、各々の原因にマッチする漢方処方を挙げます。
特徴:自律神経を安定させストレスを和らげる。主にこめかみなど側頭部の痛みに有効。
特徴:身体を温め、冷えを取ることで頭痛を改善。夏のクーラーによる頭痛にも。頭頂部の痛みに有効。
特徴:体内の水分循環を改善し、頭痛を改善。メニエール病による頭痛にも。前頭部の痛みに有効。
では、まとめます。
特徴:こめかみ(頭頂部)の痛み・イライラ・高血圧・フワフワするめまい
提案処方:釣藤散(47番)
キラーフレーズ:「自律神経の乱れを和らげて頭痛を取り除きます」
特徴:頭頂部の痛み・冷えによる痛み・胃腸が弱い・疲れやすい
提案処方:呉茱萸湯(31番)
キラーフレーズ:「身体の冷えからくる頭痛を取り除きます」
特徴:前頭部の痛み・身体がだるい・回転性のめまい
提案処方:苓桂朮甘湯(39番)
キラーフレーズ:「体内の水分循環を改善して頭痛を取り除きます」
もちろん、これはほんの一例なので、万人に有効とは言えないかもしれません。ですので、この引き出しをひとまず持っておき、相対する患者様によって先生方で若干のアレンジを効かせていただければ、満足度の向上にも繋がるものと思われます。
ぜひ、参考にしてくださいね。
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