月経困難症に適応のある低用量ピル(LEP)服薬指導のポイント

ピルの服薬指導に苦手意識はありませんか?
どの薬剤の処方がきても、服薬指導の流れを頭に入れておけば
患者さんへの対応はそれほど難しくはありません。

月経困難症に適応のある低用量ピル(LEP)には、

  • ヤーズ
  • ルナベル
  • ジェミーナ

があります。(2019年3月現在)

更に、ヤーズには連続投与型のヤーズフレックスがあり、
ルナベルにはホルモン量の違う2タイプ、LDULDがあります。

それぞれの薬剤の概要については以下の通りです。

図1 低用量ピル一覧

これをふまえて低用量ピルの服薬指導についてまとめてみたいと思います。

1 服用開始日の確認

初めて服用開始する場合、または他剤からの切り替えの場合は、
服用開始日を医師から指示されているかを確認します。

添付文書には
ヤーズ、ヤーズフレックスは「月経第1日目から服用開始」
その他は「月経第1~5日目に服用開始」
とあります。

低用量ピルは妊婦の服用は禁忌となっているため、妊娠していないことを確認したうえで服用開始することが重要です。

他の薬剤から変更の場合も
休薬期間の有無などを含めて患者さんが服用開始日を理解しているか、
念の為確認しましょう。

2 服用方法の確認

毎日一定の時間になるように服用することを指導するとともに
飲み忘れがないように指導します。

飲み忘れがあると不正性器出血や妊娠のリスクが上がってしまいます。

しかし、万一飲み忘れた場合は通常、
「直ちに前日の飲み忘れた錠剤を服用し,
当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用する」
と指導します。
つまりその日は1日に2錠服用することとなります。

飲み忘れ防止のために、
服用時間をお知らせしてくれるアプリや
LINEを利用したサポートを行っているメーカーもあります。
サポートの詳細は各メーカーのサイトや患者さん向けの指導箋を参照してください。

3 休薬期間の確認

休薬期間は各薬剤で異なりますので、
混乱しないようしっかり事前確認して指導を行いましょう。

ルナベルLD、ルナベルULDはプラセボ偽薬)なしの21錠が1シートの薬剤です。
1シートを服用終了したら7日間の休薬をはさんで次のシートの服用を開始します。

ヤーズとヤーズフレックスでは服用方法が異なります。
ヤーズはプラセボ4錠を含む28錠シートですので、1シート服用終了したら、
次の日から新たなシートの服用を開始します。

ヤーズフレックスは一定期間プラセボの服用も休薬もない連続投与の薬剤です。
25日目以降に3日間連続で出血(点状出血を含む)が認められた場合、
又は
連続投与が120日に達した場合4日間休薬します。
休薬期間がシートの途中に当たる場合があるため服用日数管理が必要です。

ジェミーナには以下の2通りの服用方法があります。

  • 21日間服用し、7日間休薬
  • 77日間服用し、7日間休薬

77日間服用の場合は、28錠シートを2回、21錠シートを1回服用します。

薬剤ごとに間違いのないようにしっかりと確認して服薬指導に臨みましょう。

4 副作用の確認

比較的多い低用量ピルの副作用については
不正出血悪心頭痛などがあります。
これらの症状は体が薬に慣れてくる3ケ月以内におさまります。

また重大な副作用として【血栓症】があります。
40歳以上で喫煙者は頻度が上がるため、服用中は禁煙するよう指導します。
血栓症の副作用については国内でも因果関係が否定できない死亡例があるため
初期症状について、しっかり説明、確認する必要があります。

【血栓症の初期症状】

  • 下肢の急激な疼痛・腫脹
  • 突然の息切れ、胸痛
  • 激しい頭痛
  • 四肢の脱力・麻痺
  • 構語障害
  • 急性視力障害等

上記のような症状が現れた場合は服用を中止し、医師に報告するように指導します。
また、血栓症の予防策として、以下の生活指導を行うとよいでしょう。

【血栓症の予防策】

  • こまめに水分を摂る
  • 長い間同じ姿勢を続けない
  • 体を動かして血行をよくする
  • 禁煙する

長時間飛行機に乗る場合や被災地での避難所生活でも問題になっているエコノミー症候群の対策を参考にすると患者さんもイメージしやすいと思います。

副作用については、継続服用されている患者さんに対しても
気になることがないか毎回確認することが重要です。

まとめ

以上、服用指導にあたってのポイント4つをご紹介しました。

各薬剤のメーカーで患者さん向けの資材が用意されていますので、
そういった資材を利用して安全に効果的に服用できるように指導を行いましょう。

  • 月経困難性の適応のある低用量ピルは5種類ある(2019年3月現在)
  • いずれも服薬指導のポイントは以下の4点である
    1.服用開始日の確認
    2.服用方法の確認(飲み忘れ対策)
    3.休薬の確認
    4.副作用の確認
  • 妊婦は禁忌であるため月経第1日目、または、月経1~5日目から服用開始する
  • 毎日同じ時間になるよう服用する
  • 飲み忘れた際は気づいた時点で前日分を服用し、当日分はいつもの時間に服用する
  • 各薬剤で休薬指示が異なるためしっかり確認して指導を行う
  • 不正出血悪心頭痛などの副作用は通常3ケ月程度でおさまる
  • 重大な副作用である血栓症については初期症状について説明し、投薬の際に毎回確認する
  • 各メーカーの患者さん向け資材を活用する

参考資料:
各薬剤の添付文書
バイエル ヤーズ配合錠服用ハンドブック
バイエルウイメンズヘルス ヤーズフレックス配合錠の服用方法
あすか製薬 ジェミーナ配合錠を服用される患者さんへ

この記事を書いた人

Kay

Kay (ケイ)

広島大学 薬学部卒 
研修認定薬剤師

愛媛県出身 
現在は東京在住。

化粧品メーカーの営業・販売員教育職を経て、薬剤師歴16年のアラフィフです。

総合病院の門前薬局、商店街にある下町の調剤薬局、オフィスビルの医療モール内薬局などで幅広い処方箋の応需経験があります。

婦人科、皮膚科、眼科、患者さまとのコミュニケーション術などについて、私なりの視点でお伝えできればと思います。

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