フィアスプ【超速効型インスリン】調剤・服薬指導のポイント

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2019年9月にノボノルディスクファーマが製造販売承認を取得した超速効型インスリン製剤フィアスプ注一般名:インスリンアスパルト)です。

フィアスプ注には3つのタイプが存在します。

  • キット製剤
    フレックスタッチ 
  • カートリッジ製剤
    ペンフィル
  • バイアル製剤

フィアスプが処方された患者さんにどのように服薬指導をする必要があるのか、
製剤の特徴をまとめました。

使用タイミングは食事開始前

フィアスプ注にはインスリンアスパルトの吸収を速くする目的ニコチン酸アミドが添加剤として加えられています。
同じ超速効型に分類されるノボラピッドよりインスリン作用発現時間が速いのが特徴です。

従来の超速効型インスリンの使用タイミングは食直前(食事の15分前以内)となっていますが、フィアスプはインスリン作用発現時間が速いため食事開始前(食事開始の2分前以内)、もしくは必要に応じて食事開始後(食事開始して20分以内)と使用タイミングが定められています。

服薬指導のポイント

  • 他の超速効型に比べて作用発現時間が速いので切り替え時には低血糖の発現に注意
  • 使用タイミングは食事開始の2分前以内、もしくは食事開始後20分以内
  • 皮下注射は、腹部上腕大腿に行い同じ部位に注射する場合は毎回2〜3cmはずらす
  • ピオグリタゾンとの併用で浮腫が多く報告されている(インスリンで共通)。
  • 開封前は2〜8℃で保管。
  • 使用中は室温で保管4週間以内に使い切る(フレックスタッチ、バイアル製剤は使用中に冷所保管でも可)。
  • お酒の飲み過ぎ、激しい運動、下痢の場合は特に低血糖の発現に注意。

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
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