ゾルトファイ配合注フレックスタッチの作用機序・服薬指導のポイント

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

持効型インスリンアナログ製剤インスリンデグルデク(商品名:トレシーバ)と、GLP-1受容体作動薬リラグルチド(商品名:ビクトーザ)の2成分が配合されたゾルトファイ配合注フレックスタッチがノボノルディスクファーマから2019年9月に薬価収載されました。

ゾルトファイ配合注フレックスタッチの薬剤情報のポイントをまとめました。

1ドーズあたりの配合成分

1ドーズ中の成分量
インスリンデグルデク 1単位
リラグルチド 0.036mg

1〜50ドーズ刻みで調節できます。
つまり、インスリンデグルデクは1〜50単位、リラグルチドは0.036〜1.8mgの範囲で調節可能です。

作用機序

インスリンデグルデク(持効型インスリンアナログ製剤)

不足しているインスリンの基礎分泌を補充

リラグルチド(GLP-1受容体作動薬)

血糖依存的に膵臓のβ細胞に働きかけてインスリン分泌促進グルカゴン分泌抑制

GLP-1は小腸下部から分泌され、インスリン分泌を促すホルモン。
インクレチンと呼ばれる消化管ホルモンの一種。
GLP-1は膵臓のβ細胞にあるGLP-1受容体に結合しインスリン分泌を促進。
この働きは血液中のブドウ糖濃度が低いと起こらない。
またGLP-1は体内のDPP-4という酵素によって分解される。

GLP-1受容体作動薬であるリラグルチドは、作用を持続させるためにDPP-4によって分解されにくいようにつくられたGLP-1アナログ製剤

調剤・服薬指導の注意点

  • 注射時刻は毎日一定(食前、食後に関係なく使用可能)
  • インスリン製剤を使用していない場合は1回10ドーズ未満からの投与を考慮
  • インスリン製剤を使用していて効果不十分の場合は投与開始は1日1回10〜16ドーズの範囲で
  • 1日用量として50ドーズ(インスリンデグルデク50単位・リラグルチド1.8mg)を超える場合は他剤に変更を検討
  • 打ち忘れの場合は通常気づいた時に投与可能だが次回投与は8時間以上はあける

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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