食後の血糖値上昇を抑えるαグルコシダーゼ阻害薬がボグリボース(商品名:ベイスン)です。
ボグリボースの作用機序、服薬指導のポイントについてまとめてみました。
ボグリボース(ベイスン)はグルコアミラーゼ、マルターゼ、イソマルターゼ、スクラーゼといったαグリコシダーゼを阻害することで、でんぷんやスクロースがグルコースに分解されるのを防ぎ、血糖値の上昇を抑えます。
ボグリボース(ベイスン)と同じαグルコシダーゼ阻害薬(αGI)にミグリトール(商品名:セイブル)やアカルボース(商品名:グルコバイ)があります。
アカルボースに特有の作用に唾液・膵液中のαアミラーゼ阻害があり、ミグリトールにはラクトースやトレハロースの分解を抑える作用があります。
ボグリボース(ベイスン)には糖尿病による食後過血糖の改善以外に「耐糖能異常における2型糖尿病発症抑制」にも効能・効果を取得しています。
2017年時点、αGIで耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制に効果があるのはボグリボース(ベイスン)のみとなっています。
空腹時血糖が126mg/dL未満かつ75g経口ブドウ糖負荷試験の血糖2時間値が140〜199mg/dLが判断基準となります。
ボグリボース(ベイスン)が耐糖能異常患者に投与できる条件として、
糖尿病発症抑制の基本である食事療法・運動療法を3〜6ヵ月間行っても改善されず、かつ高血圧症、脂質異常症(高トリグリセリド血 症、低 HDLコレステロール血症等)肥満(Body Mass Indes : BMI 25kg/m2以上)2親等以内の糖尿病家族歴のいずれかを有する場合に限定すること
という縛りがあります。
通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を0.3mgまで増量することができる。
通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。
飲み忘れに気づいた場合は、次回服用分から正しい量を服用するよう指導。
ボグリボース(ベイスン)を服用すると、お腹にガスがたまって張る腹部膨満感や、おならの回数が増える放屁増加が副作用として多く報告されています。
消化されなかった炭水化物が大腸の腸内細菌によって発酵を受けることで、二酸化炭素や水素などのガスが発生することが要因と考えられています。
薬が効いている証拠なのですが、我慢できない場合や腹痛が続く場合は、すぐに相談するように指導しましょう。
また芋類などの炭水化物を多く含む食品の大量摂取は控えて、よく噛んでゆっくり食事を摂るようにアドバイスしましょう。
・低血糖の症状の具体例を伝える。
(動悸・手足の震え・強い空腹感・冷や汗・脱力感など)
・低血糖時の対処方法を伝える。
(ブドウ糖5~15g摂取・砂糖はダメ)
・低血糖が起こりやすいケースを伝えておく。
(他の糖尿病薬と併用時、シックデイ、激しい運動後、過度な飲酒、食事を摂らない時)
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