ピオグリタゾン(アクトス)の作用機序・インスリン抵抗性改善とは?

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2型糖尿病治療薬でインスリン抵抗性改善薬がピオグリダゾン塩酸塩(商品名:アクトス)です。

ピオグリダゾンの作用機序、服薬指導の注意点についてまとめてみました。

作用機序・インスリン抵抗性改善とは?

ピオグリタゾンはインスリン抵抗性改善薬に分類される薬剤です。

筋肉や脂肪組織に存在するインスリン受容体の機能を改善することで、筋肉細胞や脂肪細胞での糖の取り込みを促し、また肝臓では糖の放出抑えることで血糖値を下げる働きがあります。

併用禁忌薬

ピオグリタゾン(アクトス)と併用禁忌の薬剤はありません。

服薬指導・薬歴記載の要点(ハイリスク薬)

飲み方・飲み忘れ時の対応を指導

・1日1回(朝食前・朝食後)で効果あり
・飲み忘れた場合は昼までであれば気づいた時でOK(激しい運動時や空腹時は避ける)

低血糖時の対応を指導

・低血糖の症状の具体例を伝える。
(動悸・手足の震え・強い空腹感・冷や汗・脱力感など)
・低血糖時の対処方法を伝える。
(ブドウ糖5~15g摂取 or  砂糖10〜30g を摂取 αGI併用中はブドウ糖摂取)
 ・低血糖が起こりやすいケースを伝えておく。 
(他の糖尿病薬と併用時、シックデイ、激しい運動後、過度な飲酒、食事を摂らない時)

浮腫(むくみ・体重増加)

特に女性やインスリン併用時に浮腫の副作用が報告されています。
浮腫や体重増加の有無をチェックし、問題があれば主治医に相談するよう指導。

膀胱癌のリスクについて

因果関係は不明ですが海外でピオグリタゾンを長期で服用した場合、膀胱癌が発現する可能性があることが報告されています。

血尿や排尿時の痛みがある場合はすぐに相談するよう指導。

 

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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