2型糖尿病治療薬でグルコースを尿中に排泄するSGLT2阻害薬がエンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)です。
エンパグリフロジンはベーリンガーインゲルハイム社で開発された薬剤です。
エンパグリフロジンについて作用機序、特徴、服薬指導の要点についてまとめてみました。
原尿のグルコース99は%以上腎臓の尿細管で再吸収されるのですが、その再吸収の約9割を担っているのが近位尿細管に存在するSGLT2です。
SGLT2によって血液中にグルコースが再吸収されることで血糖値が上昇します。
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エンパグリフロジン(ジャディアンス)はSGLT2を阻害することで、グルコースが血中に再吸収されるのを抑え、尿中からグルコースを排泄し、血糖値を下げる働きがあります。
具体的な作用機序の図はこちらにまとめました。
・SGLT2阻害薬の作用機序は?近位尿細管でのSGLT1との関係
ジャディアンスのインタビューフォームによると、成人健康男性に空腹時単回投与した時のTmax、T1/2は下記の通りとなります。
規格 | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
10mg | 1.5 | 9.88 |
20mg | 2.0 | 11.7 |
投与後血漿中には主に未変化体として存在するが,一部はUGT2B7,UGT1A3,UGT1A8及びUGT1A9によるグルクロン酸抱合により代謝される
引用元 ジェディアンスインタビューフォーム
エンパグリフロジン(ジャディアンス)と併用禁忌薬はありません。
・多尿になり脱水症状が問題となるため、こまめな水分摂取(お水かお茶)を指導
・高齢者や夏場、利尿剤を併用する場合は脱水症状のリスクUP
尿道からグルコースが排泄されることで細菌が繁殖しやすくなります。
残尿感や排尿痛がある場合はすぐに相談するよう指導。
・膣のかゆみ・匂い・白〜黄色のおりもの(女性)
・陰茎の腫れ・かゆみ・赤み・悪臭を放つ分泌物が出る(男性)
上記症状の場合は直ちに受診が必要。
・糖尿病薬と併用時に低血糖のリスク高くなる
(SU剤、速効型インスリン分泌促進剤、インスリン製剤併用は特に注意)
・低血糖の症状の具体例を伝える。
(動悸・手足の震え・強い空腹感・冷や汗・脱力感など)
・低血糖時の対処方法を伝える。
(ブドウ糖5~15g摂取 or 砂糖10〜30g を摂取 αGI併用中はブドウ糖摂取)
・低血糖が起こりやすいケースを伝えておく。
(他の糖尿病薬と併用時、シックデイ、激しい運動後、過度な飲酒、食事を摂らない時)
・シックデイ(発熱・下痢・嘔吐・食事が摂れない場合)は休薬が推奨(主治医の指示を優先)
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