2型糖尿病治療薬で尿中に糖を排泄するSGLT2阻害薬がトホグリフロジンです。
商品名としてはアプルウェイや、デベルザとして販売されています。
SGLT2阻害薬の中でSGLT1と比較してSGLT2への選択性が最も高いのがトホグリフロジンです。
トホグリフロジンの作用機序、特徴、服薬指導のポイントについてまとめてみました。
腎臓の近位尿細管にはナトリウム・グルコース共輸送体2(sodium glucose co-transporter 2)、略してSGLT2があり、原尿に含まれる約90%のグルコースがSGLT2を介して、血液中に再吸収されています。
トホグリフロジン(アプルウェイ・デベルザ)は腎近位尿細管のSGLT2を選択的に阻害することで、グルコースの血中への再取り込みを抑え、尿中からグルコースを排泄し、血糖値を低下させます。
アプルウェイのインタビューフォームによると、健康成人男性に20mg単回投与した時のTmaxとT1/2は下記の通りとなっています。
規格 | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
20mg | 1.0 | 5.29±0.508 |
主としてCYP2C18、CYP4A11、CYP4F3B及びアルコール脱水素酵素等により代謝。
トホグリフロジン(アプルウェイ・デベルザ)の併用禁忌薬はありません。
トホグリフロジン(アプルウェイ・デベルザ)は尿酸排泄促進薬のプロベネジド(ベネシッド)と併用注意になっています。
併用によりトホグリフロジン(アプルウェイ・デベルザ)のCmax が1.22倍、AUCが2.33倍に増加するという報告があります。
なお、機序は不明となっています。
・尿の回数が増えてもこまめに水分摂取(お水・お茶)を指導
・高齢者、利尿剤併用時、夏場は特に注意
・排尿痛・残尿感がある時は要相談
・陰部を清潔に保つように指導
・膣のかゆみ・匂い・白〜黄色のおりもの(女性)
・陰茎の腫れ・かゆみ・赤み・悪臭を放つ分泌物が出る(男性)
トホグリフロジンにより、脂肪酸の代謝が進み、分解物のケトン体が血中に増えることでケトアシドーシス(血液が酸性に傾くこと)が報告されています。
ケトアシドーシスの症状
・吐き気・嘔吐・食欲不振・倦怠感・腹痛・呼吸困難など
・糖尿病薬と併用時に低血糖のリスク高くなる
(SU剤、速効型インスリン分泌促進剤、インスリン製剤併用は特に注意)
・低血糖の症状の具体例を伝える。
(動悸・手足の震え・強い空腹感・冷や汗・脱力感など)
・低血糖時の対処方法を伝える。
(ブドウ糖5~15g摂取 or 砂糖10〜30g を摂取 αGI併用中はブドウ糖摂取)
・低血糖が起こりやすいケースを伝えておく。
(他の糖尿病薬と併用時、シックデイ、激しい運動後、過度な飲酒、食事を摂らない時)
・シックデイ(発熱・下痢・嘔吐・食事が摂れない場合)は休薬が推奨(主治医の指示を優先)
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