2型糖尿病治療薬でSGLT2阻害薬として処方される薬剤がダパグリフロジンプロピレングリコール水和物(商品名:フォシーガ)です。
ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物はブリストル・マイヤーズスクイブ社(米国)により創製され、アストラゼネカとの共同開発によって製品化されました。
ダパグリフロジンプロピレングリコールの作用機序、特徴、服薬指導の要点についてまとめてみました。
腎臓の近位尿細管ではSGLT2(ナトリウム・グルコース共輸送体(sodium-glucose co-transporter)が特異的に発現しています。
SGLT2はグルコースの再吸収を行うことで、血液中にグルコースを取り込み、血糖値を上昇させる働きがあります。
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ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ)はSGLT2を可逆的に阻害することで、グルコースが体内に再吸収されるのを抑え、グルコースを尿中に排泄し空腹時や食後の血糖値を下げる働きがあります。
具体的な作用機序の図はこちらにまとめました。
・SGLT2阻害薬の作用機序は?近位尿細管でのSGLT1との関係
フォシーガのインタビューフォームによると成人健康男性に空腹時単回投与した時のTmax、T1/2は下記の通りとなっています。
規格 | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
10mg | 1.25 | 12.1 |
主として、UGT1A9によるグルクロン酸抱合により代謝されます。
ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ)と併用禁忌の薬剤はありません。
・腎近位尿細管のSGLT2を選択的に阻害し、グルコースを尿中から排泄→血糖値を下げる
・1日1回でOK
・食事に関係なく服用可能
・脱水症状の予防のため、こまめに水分を摂取。
(夏場や高齢者は特に注意)
・尿路感染・性器感染(腟カンジダなど)の可能性あり。
・糖尿病薬と併用時に低血糖のリスク高くなる
(SU剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬、インスリン製剤併用は特に注意)
・低血糖の症状の具体例を伝える。
(動悸・手足の震え・強い空腹感・冷や汗・脱力感など)
・低血糖時の対処方法を伝える。
(ブドウ糖5~15g摂取 or 砂糖10〜30g を摂取 αGI併用中はブドウ糖摂取)
・低血糖が起こりやすいケースを伝えておく。
(他の糖尿病薬と併用時、シックデイ、激しい運動後、過度な飲酒、食事を摂らない時)
・シックデイ(発熱・下痢・嘔吐・食事が摂れない場合)は休薬が推奨(主治医の指示を優先)
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