2型糖尿病治療薬で処方されるDPP4阻害薬がテネリグリプチン臭化水素酸塩水和物(商品名:テネリア)です。
テネリグリプチンについて作用機序、特徴、服薬指導のポイントについてまとめてみました。
食事を摂取すると消化管からインクレチンホルモンであるGLP-1が分泌されます。
GLP−1は血糖値の上昇に応じて、膵臓β細胞を刺激し、インスリンの分泌を促したり、膵臓α細胞を刺激してグルカゴンの分泌を抑えることで血糖値を調節する働きがあります。
しかし、活性型GLP−1はジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)によって急速に分解、不活性化されてしまいます。
テネリグリプチン(テネリア)はジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することでインクレチン(GLP-1)の分解を抑え、GLP-1濃度を高める働きがあります。
GLP-1のインスリン分泌促進作用は血糖値の上昇に応じて働くため、DPP4阻害薬は低血糖が起こりにくいのが特徴です。
テネリアのインタビューフォームによると、健康成人男性に空腹時単回投与した時のTmax、T1/2は下記のとおりです。
規格 | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
20mg | 1.8 | 24.2±5.0 |
40mg | 1.0 | 20.8±3.2 |
主にCYP3A4及び、FMO1、FMO3によって代謝。未変化体の尿中排泄率は14.8〜22.1%
・1日1回投与でOK。
・服用タミング、食事の縛りなし。
・単独処方では低血糖のリスク低い。
・糖尿病薬と併用すると低血糖のリスクUP。
(特にSU剤とインスリン製剤)
・低血糖の症状を伝える。
(動悸・手足の震え・強い空腹感・冷や汗・脱力感など)
・低血糖時の対処方法を伝える。
(ブドウ糖5~15g摂取or 砂糖10〜30g を摂取 αGI併用中はブドウ糖摂取)
・低血糖が起こりやすいケースを伝えておく。
(他の糖尿病薬と併用時、シックデイ時(風邪・下痢時)、激しい運動後、過度な飲酒、食事を摂らない時)
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