グリクラジド(グリミクロン)の作用機序・特徴・服薬指導・薬歴記載のポイント

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2型糖尿病治療薬に処方されるSU剤がグリクラジド(商品名:グリミクロンなど)です。

グリクラジドについて、作用機序や特徴、服薬指導のポイントについてまとめてみました。

第一世代・第二世代・第三世代のSU剤一覧

スルホニル尿素系血糖降下剤(SU剤)には第一世代、第二世代、第三世代に分類されます。

第一世代SU剤
アセトヘキサミド(商品名:ジメリン)

第二世代SU剤
グリベンクラミド(商品名:オイグルコン・ダオニール)
グリクラジド(商品名:グリミクロン)

第三世代SU剤
グリメピリド(商品名:アマリール)

グリクラジドは第二世代のSU剤に位置付けられます。

作用機序・作用部位・アマリールとの違い

グリクラジドは膵臓ランゲルハンス島β細胞を刺激し、インスリン分泌を促進させます。

膵臓にインスリンを分泌させる力が残っていなければ効果を発揮することができません。

第三世代のSU剤のグリメピリド(アマリール)のようなインスリン感受性改善作用は報告はされていません。

Tmax・T1/2(半減期)

グリミクロンのインタビューフォームによると、

Tmax 
健康成人4hr
糖尿病患者2hr

T1/2(半減期)
健康成人8.6hr
糖尿病患者12.3±3.1hr

となっています。

併用禁忌薬

グリクラジドと併用禁忌薬はありません。

グリニド系とSU剤の併用は査定の対象

速効型インスリン分泌促進薬であるグリニド系の薬剤はSU剤と作用点が同じであることから、併用すると査定される可能性があります。

そのためグリニド系の薬剤とSU剤が併用されている場合は疑義照会が必要です。

グリニド系薬剤一覧

  • ナテグリニド(商品名:ファスティック スターシス
  • ミチグリニドカルシウム水和物(商品名:グルファスト
  • レパグリニド(商品名:シュアポスト

服薬指導・薬歴記載の要点(ハイリスク薬)

・膵臓からインスリンを出すのを助けることで血糖値を下げる薬
・飲み忘れた場合は、服用をとばして次回から正しい量を服用
・低血糖の具体的症状を説明
(手足の震え・動悸・発汗・強い空腹感・脱力感)
・低血糖時の対処方法を説明
(ブドウ糖5g〜10g 砂糖10g〜30gを摂取 αGIを併用中はブドウ糖摂取)
・低血糖が起こりやすい時を説明
(シックデイ・激しい運動時・過度の飲酒)

 

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

記事作成のサイトポリシーについてはコチラ

この投稿者の最近の記事

「伊川勇樹」のすべての投稿記事を見る>>

コメント欄ご利用についてのお願い

  • 薬剤師、薬学生、調剤事務、医師、看護師といった医療に携わる方が使用できるコメント欄となります。
  • 「薬剤師の集合知」となるサイトを目指していますので、補足・不備などございましたらお気軽に記入いただけると幸いです。
  • コメントの公開は運営者の承認制となっており「他のユーザーにとって有益な情報となる」と判断した場合にのみ行われます。
  • 記事に対する質問は内容によってお答えできないケースがございます。
  • 一般消費者からの薬学、医学に関する相談や質問は受けつけておりません。

※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。

お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。

ページトップに戻る