ワーファリンとNOAC・DOAC(新規経口抗凝固薬)について【前編】

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

心房細動における脳梗塞予防には長年、ワーファリンが使われています。

十分、理解されていると思いますが、今一度復習と、最近、処方を見ることが多くなってきているNOAC(読み方:ノアック)について報告のある内容についてまとめてみたいと思います。

NOACは「直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant)=DOAC(読み方:どあっく)」とも呼ばれます。

作用機序

 ワーファリン

ワーファリン
ビタミンK阻害作用。血液凝固に関わる因子のうち、ビタミンKを必要とする凝固因子が存在します。この因子としては、凝固因子の中でもプロトロンビン(第Ⅱ因子)、第Ⅶ因子、第Ⅸ因子、第Ⅹ因子の4つがあります。結果的にワーファリンはその4因子の生成を阻害して抗凝固作用を示します。


プラザキサ(ダビガトラン)
 抗トロンビン作用。凝固系の中でも最終段階のフィブリンの生成に関与するトロンビンを阻害します。


イグザレルト(リバロキサバン)、エリキュース(アピキサバン)、リクシアナ(エドキサバン)※1

 
抗Ⅹa作用。Ⅹaの活性部位選択的、競合的かつ可逆的に結合することで、その働きを阻害し、Ⅱa(トロンビン)の生成を抑制します。トロンビンの生成が抑制された結果、フィブリノーゲンからフィブリンへの生成が抑制されます。
※1 2013年9月現在 適応未承認

後編は、ワーファリンと各NOAC(新規経口抗凝固薬)との違い、特徴について取り上げたいと思います。  

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

30歳で製薬会社のMRを辞め、2015年4月より念願の経営者として薬局運営を始める。
薬局経営とともに、『MRファーマシスト』(MR経験を持つ薬剤師を意味する)を提唱しWEBサイトやSNSを駆使したゲンバ目線の情報発信は注目を集め【ミクス】・【デキル管理薬剤師ラボ】で連載も持つ。
2016年からは本気で薬局を開局したい人を対象に『独立開局成功塾』を東京・大阪の2拠点で開催しており、夢を持つ若手薬剤師に独自の経営ノウハウを惜しみなく提供している。

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