住宅手当と借り上げ社宅制度の違い【薬局・病院の薬剤師の就職活動】

この記事を書いた人

寺本 卓矢(てらもと たくや)

【所属】
いちょう薬局株式会社 経営戦略本部人材採用担当
シナジーファルマ株式会社 法人営業部関東ブロック統括
株式会社PHAIND 執行役員
【資格】
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
【出身大学】
日本薬科大学 薬学部 卒業

私は中小調剤薬局チェーンで人事部の新卒採用の経験があります。

よく薬学生さんから、

「調剤薬局はたくさんあって選ぶ基準が分かりません。」
「求人票の見方が分かりません。」
「どこも一緒な気がします。」

など様々な事を聞かれます。

その経験から学生目線でどういった所を見ていけば良いのか。

「在宅手当」と「借り上げ社宅」について考えてみたいと思います。

「住宅手当」と「借り上げ社宅制度」どっちが得?

企業説明会で、

住宅手当 月5万円」
借り上げ社宅制度あり 7割会社負担」
など見たこと聞いたことありませんか?

どちらも同じように住居に関する福利厚生です。
いったい何が違うのか、注意点は何かを解説していきたいと思います。

借り上げ社宅の方がメリットが多い

結論からお伝えすると借り上げ社宅の方が得です。

まずは違いとして契約者が異なります。
借り上げ社宅は会社が物件を契約をします。
住宅手当は個人(自分)が物件を契約します。

借り上げ社宅では家賃は会社負担分を差し引いた額が個人負担分となり、会社からの給与から天引きされます。
一方で、住宅手当は給与に「住宅手当」として上乗せされます。
これだけでは何が得なのか分かりませんね。

具体例をみながら考えていきましょう。
分かりやすく家賃10万円の物件に住むと仮定します。

借り上げ社宅(7割を会社負担)の場合

10万円‐7万円=3万円が個人負担となります。

よって3万円が給与から天引きされます。

住宅手当(月7万円)の場合

7万円が給与に上乗せになり10万円の家賃を自分で支払います。
つまり3万円が実質の自己負担額になります。

あれ?同じではないか。
いえ違います。

社会保険料・所得税が少なくなる

なぜ借り上げ社宅の方が得なのでしょうか?
それは課税対象額の違いがあるからです。

住宅手当として上乗せされた分(今回の例では7万円)も給与とみなされ課税対象となり所得税や社会保険料がその分多く引かれます。
逆に借り上げ社宅の場合は給与から天引きのため課税対象が増える心配はありません。
そのため最終的に手元に残るお金は借り上げ社宅の方が多いのです。

ここで注意点です。

社宅や住宅手当は、

「単身者のみ」
「入社5年まで」
「転居を伴う場合のみ」

など制限がかかっている場合がありますので、きちんと採用担当者に聞くことをオススメします。

また最近は実家から通う方が増えたこともあり東京都内などの都会のエリアでは社宅制度が少なくなっています。
さらに月給などに住宅手当込みになっている企業もありますので給与の内訳をしっかりと確認することも重要です。

この記事を書いた人

寺本 卓矢(てらもと たくや)

【所属】
いちょう薬局株式会社 経営戦略本部人材採用担当
シナジーファルマ株式会社 法人営業部関東ブロック統括
株式会社PHAIND 執行役員
【資格】
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
【出身大学】
日本薬科大学 薬学部 卒業

【サイト】

【紹介文】
薬局での薬剤師業務の傍ら新店舗開発や人事採用、人材採用コンサルタント業務を行う。

薬剤師として常に新たなチャレンジをしながら医療業界、特に調剤薬局と薬学生に対して貢献できるよう業務を行う。

現在は新たに薬学生向けコンテンツサイト(薬学ステップ)を開設。

薬学生向けイベント企画運営なども手掛けている。

調剤薬局人材採用アドバイスやイベント企画、お仕事の依頼はこちら
info@phaind.jp

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