私は中小調剤薬局チェーンの人事部で薬剤師の新卒採用をしています。
よく薬学部の学生さんから、
「調剤薬局はたくさんあって選ぶ基準が分かりません。」
「求人票の見方が分かりません。」
「どこも一緒な気がします。」
など様々な質問をうけます。
その経験から学生目線でどういった所を見ていけば良いか、薬学生に向けて簡単に説明させていただきます。
「退職金制度」
よく募集要項の福利厚生部分に記載があるのを目にしますね。
薬学生のみなさん、この制度ってどこの会社にでもある訳ではないって知っていましたか?
私が学生のころは“退職金”って仕事を辞める時にお祝い金みたいな形で、なんとなく貰えるものなんだなぁくらいにしか思っていませんでした。
現在は会社により確定拠出型年金や、確定給付型年金、そのなかでも個人型・企業型と様々ありますが、この辺りは小難しいので全てを把握して就職活動をする必要はないかと思われます。
ここで知っておきたいのは「退職金制度」は法的に義務づけられているものではなく、退職金が出ない会社もあるってことなのです。
ただ実際は多くの企業で「退職金制度」は導入されているので、あまり見かけないとは思いますが、そこが落とし穴だったりする場合もあるので注意が必要です。
ここ数年調剤薬局の転職市場が鈍化し、新卒採用に力を入れている企業は多いです。
今までは大手調剤薬局チェーンに多くの新卒薬剤師が入社する一方、中小調剤薬局は中途採用が多くを占めていました。
現在その流れが少しずつ変わってきています。
中小調剤薬局(個人薬局も含む)も新卒採用を積極的に行うようになってきました。
大手調剤薬局への逆風が強い中、学生もようやく中小調剤薬局へ目を向けたというのが正しいかもしれません。
薬学生向けイベントを見ても以前までは大規模開催のものばかりでしたが、現在は「中小調剤薬局限定イベント」などもあり、その需要も高まってきています。
そこで退職金制度の話に戻ります。
“多くの会社で退職金制度は導入されている”ということは、当たり前ですが退職金制度が導入されていない会社もあるということです。
退職金制度がある会社がよく、退職金制度がない会社がよくないというわけではありません。
退職金を出さないかわりに、給与を通常より多く支給するケースもありますからね。
また退職金制度がない中小規模の薬局で、大手の薬局に比べて早くから裁量権が与えられたり、自由度が高いケースもあります。
避けないといけないのは、退職金があると思い込んで入社したのに、退職金制度がない職場だったと入社後に知ってしまうことです。
「こんなはずじゃなかった」
というギャップを避けるためにもしっかりと福利厚生の部分を見ていくようにしましょう。
特に店舗数が少ないチェーン調剤薬局や個人薬局に近い形態をとっている企業は退職金制度がない可能性もあります。
誤解を招かないように付け加えると大手以外の調剤薬局も視野に入れ就職活動をすることは素晴らしいと思います。
M&Aもあるなかですが、やはり調剤薬局を大手のみに絞って就職活動をするのは自分で視野を狭めてしまうことになってしまいます。
福利厚生など含めた求人票・募集要項の見方を覚えることで、より自分に合った企業を見つけることができると思います。
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