こんにちは。
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」編集長の伊川です。
少し変わったことを質問したいと思いますが
「お店でモノを買うとき、どのようにして値段が付けられているか考えたことはありますでしょうか?」
例えば、水不足でお米がほとんど収穫できなかった場合。
お米が好きでどうしても欲しい人にとっては、通常の価格の何倍もの値段でも買いたいと思うでしょう。
一方で、お米が有り余るくらい収穫できた場合。
通常の何倍もの値段では売れることはなく、価格を下げても売れ残ってしまうでしょう。
このようにモノの価格というのは需要と供給のバランスによって決定されるのです。
実は薬剤師の給料(時給)についても、同じように需要と供給のバランスによって左右されます。
もしあなたが「どこの都道府県でもいいので少しでもいい待遇で薬剤師として働きたい」と思うのであれば、供給の少ない場所、つまり人口あたりの薬剤師数が少ないエリアを選択することをオススメします。
なぜなら、人口あたりの薬剤師数が少ないエリアでは、より重宝され、待遇も比較的良い傾向にあるからです。
厚生労働省が発表している人口10万人あたりの都道府県別薬剤師数のグラフから、移住にオススメできない都道府県、オススメする都道府県を考えてみました。
厚生労働省が発表している人口10万人当たりの薬剤師数は全国平均で170人(平成26年3月)となっています。
一番多いのは徳島県の210.9人。人口が少ない割に徳島文理大学薬学部や徳島大学薬学部と薬学部が複数あるのも影響しているかと思います。次に多いのが東京都207.1 人、兵庫県198.2 人となっています。
下記に全国平均(170人)より人口10万人あたりの薬剤師数が多い都道府県をピックアップしました。
上記のグラフのように、神奈川県、大阪府、広島県、山口県、香川県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県も全国平均より多くなっています。
人口10万人あたりの薬剤師数が少ない順にみると、最下位が沖縄県の131.0人。
次いで、青森県133.8人、福井県140.5人となっています。
全国平均以下の都道府県は、
北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、愛媛、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
となっています。
特に薬学部のない沖縄県は圧倒的に人口10万人あたりの薬剤師数は少ないです。
家賃や駐車場代など生活費が都心部に比べると遥かに安く、飛行機でも2~3時間ほどで大阪や東京へいけますので、暑さや湿度の高さが大丈夫であれば沖縄への移住はオススメです。
また青森県、岩手県、山形県などの東北エリアも全体的に人口10万人あたりの薬剤師人口が少ないです。
ウインタースポーツが好きな方、自然が好きな方には東北エリアもオススメです。
人口10万人あたりの薬剤師人口の平均値以上が12都道府県、平均値以下が35都道府県であることから、いかに薬剤師が偏在化しているかがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もし住む場所に拘らないのであれば、人口あたりの薬剤師数が少ないエリアに移住することをオススメします。同じ都道府県内であっても、市区町村内で差があるかと思いますが、だいたいのエリアを決めるためにも、都道府県別人口10万人あたりの薬剤師数を参考にするとよいでしょう。
「人の行く裏に道あり 花の山」
僕の好きな言葉の一つなのですが、多くの人がしないことを勇気を持ってチャレンジし、道を切り開けば、花の山に辿り着けるといった意味があります。
働く場所を選ぶ時にも、多くの人が選ばない場所を選択することで、花の山に辿り着けるかもしれません。
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