BAP(骨型アルカリフォスファターゼ)【骨形成マーカー】

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

BAP(Bone Specific Alkaline Phosphatase )は、骨に存在するアルカリフォスファターゼ(ALP)のことで骨芽細胞の活性度を反映する骨形成マーカーです。
骨代謝異常の診断や、骨粗鬆症治療薬の効果を判定する目的に測られます。

ALP(総アルカリホスファターゼ)は骨、肝、腸管、腎臓にも由来し、
ALPが高値の場合、肝胆道系疾患か骨疾患かを区別するためにBAPを測定するケースもあり。

基準値

測定法CLEIAの場合

  • 男性:3.7〜20.9μg/L
  • 閉経前女性:2.9〜14.5μg/L
  • 閉経後女性:3.8〜22.6μg/L

高くなる疾患

BAP 300μg/L以上 高度増加

骨ページェット病くる病悪性腫瘍の骨転移
など。

BAP 30〜300μg/L 軽度〜中等度上昇

閉経期骨粗鬆症甲状腺機能亢進症副甲状腺機能亢進症
など。

骨粗鬆症では骨形成のマーカーであるBAPが低下すると思われますが、
一般的にはBAPは60歳代で低下したあと、70歳、80歳と上昇していき、骨吸収も上昇することから骨代謝回転が亢進しているケースが多いとされています。
そのため閉経後の骨粗鬆症患者ではBAPが上昇しているケースがあり

副腎皮質ホルモン製剤内服中で高値となるケースあり。

骨粗鬆症治療でのBAP測定

骨形成促進薬であるテリパラチド(商品名:テリボンフォルテオ)の治療効果の判定のためBAPが測定される。

また骨吸収抑制剤であるビスホスホネート(BP)製剤は、骨吸収だけでなく骨形成も抑制し骨代謝回転過剰を抑制するのが特徴。
そのためBP製剤の長期投与患者にもBAPが測定されるケースあり。

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
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