こんにちは、薬剤師ライターのJです。
今回は麻薬の在庫管理にも繋がる麻薬小売業者間譲渡許可の活用について書きたいと思います。
さて、皆さんの薬局には麻薬の在庫はどのくらいあるでしょうか?
麻薬がほとんど処方されない地域では在庫がゼロという薬局もあると思います。
また、麻薬処方せんを持って来局された患者さんのために在庫したら1回しか処方されなくて、期限切れを待つばかりの麻薬をいっぱい持っている、という薬局もあるのではないでしょうか。
なぜそんな状況になってしまうかというと、皆さんがご存知のとおり、麻薬は通常小分けができないからですね。
麻薬は小分けができない、不動在庫として他店にも引き取ってもらえない。
麻薬金庫の大きさによってはすぐ金庫内がいっぱいになり、麻薬の廃棄には手間がかかります。
また、麻薬は高額なものも多いので経営にも響いてきます。
そういった現場を悩ます麻薬の在庫管理ですが、実は一つだけ結果的に麻薬の在庫を調整することができるシステムがあるんです。
それが麻薬小売業者間譲渡許可です。
麻薬小売業者間譲渡許可を簡単に説明すると、急な麻薬処方せんの調剤に対応するため、麻薬の在庫が不足している場合に限り、予め都道府県に許可をとっている近隣の薬局から麻薬を小分けしてもらい、調剤することができる制度です。
へー、それは便利ですね、さっそく許可もらってきます!と言ってもらえると嬉しいのですが、こういった制度にはやはり制限・注意事項があります。
麻薬小売業者間譲渡許可の制限・注意事項
といったところですね。 この中で3と4と5の基準が分かりにくいですが、3,4に関しては都道府県によってまちまちのようです。
参考までに東京都の場合、
3 同一区市町村内は制限なし、またぐ場合は30分以内(交通手段問わず)。
4 同一区市町村内は制限なし、またぐ場合は10業者まで。
5に関しては具体的な数値が見つからないので断言はできませんが、私の経験上では少なくとも月に数回程度でしたら特に何か注意されるということはなかったです。
おそらく小分けが毎日のように行われていたりすると保健所の指導が入ると思われるので注意してください。
それと麻薬小売業者間譲渡許可の制度はあくまで調剤のための制度であって、在庫管理のための制度ではないことに気を付けてください。
結果的に麻薬の在庫管理につながると思っていただければと思います。
まだ麻薬小売業者間譲渡許可を取っていない薬局で、ときどきくる麻薬処方せんに頭を悩ませているようでしたら、グループ間の薬局や仲の良い近隣薬局間でぜひ許可を取ることをお勧めします。
また麻薬が良く出る薬局においても、土日祝日など麻薬が納品できない状況になったりすることがあるので、急な麻薬処方せんの調剤に対応するため許可取得をお勧めします。
都道府県の薬務課が申請の窓口になります(申請書は知事宛)。
また各都道府県の薬務課のWEBページに申請書の原本や提出方法の記載があると思いますのでそちらを参考にしてみてください。
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