分割調剤の方法と算定点数

この記事を書いた人

今井雄基(いまいゆうき)

株式会社倉敷健康企画
管理薬剤師 認定実務実習指導薬剤師
岡山県出身

皆さんこんにちは、メディカルライターの今井です。
2年に1回の調剤報酬改定で薬局内が慌ただしいことと思います。
私自身は改定に関する届出関連が一通り終わってほっと一息ついている所です。

今回は改定によって変更点のある分割調剤についてです。
どう変わったかご理解いただけたらと思います。

今までは薬局から患者さんの服薬状態に応じて分割調剤を勧めていたのですが、H28年度改定で医師の指示による分割調剤ができるようになったのは既にご存知のことと思います。

H30年度改定でその手続きが明確化するように分割調剤の方法が変更になりました。

簡単まとめると下記の通りです。

  • 処方箋様式が変わり処方箋右上に分割回数を記載し分割回数分の処方箋を発行(3分割なら3枚)
  • 処方箋以外に別紙※がつくようになった
  • 分割調剤の上限は3回
  • 患者に別紙を含む処方箋の全てを毎回薬局に提出するよう指導が必要
  • 処方箋をまとめて預かるのはNG
  • 基本的に全て同じ薬局で調剤を行う
    万が一2回目以降に他の薬局に行く場合はその薬局に対しても情報提供が必要
  • 最後の来局後に医療機関(主治医)に情報のフィードバックが必要

※別紙は1枚で、処方箋発行先の連絡先、FAX番号、メールアドレスが記載されてあり、
処方箋の1回目、2回目、3回目を受け付けた保険薬局の名称、所在地、保険薬剤師氏名(押印)、調剤年月日を記載する欄があります。

分割調剤の薬局での対応例

例 90日分の3回分割(30日分ずつ)処方箋は計3枚、別紙1枚

初回来局の対応
受付前に継続的な薬学的管理及び指導のために3回すべてで同一の薬局に処方箋を持ってくる必要があることを伝える。

ご理解いただけたら処方箋1枚目と別紙をお預かりし、別紙の「1回目を受け付けた保険薬局」に薬局名、住所、薬剤師名、日付を記入してお返しする。

必要な薬学的指導を行い30日分お渡し。

次回予定日を確認して、予定時期に来局されなかった場合は電話等で服薬状況を確認し、来局を促す。

2回目来局時の対応
処方箋2枚目と別紙をお預かりし、別紙の「2回目を受け付けた保険薬局」に薬局名、住所、薬剤師名、日付を記入してお返しする。

初回と同様に必要な薬学的指導を行い30日分お渡し。

次回予定日を確認して、予定時期に来局されなかった場合は電話等で服薬状況を確認し、来局を促す。

3回目来局時の対応
処方箋3枚目と別紙をお預かりする。

初回、2回目と同様に必要な薬学的指導を行い30日分お渡し。

服薬状況、副作用等のフィードバックを処方箋発行医療機関に対して行う。

別紙は「3回目を受け付けた保険薬局」に薬局名、住所、薬剤師名、日付を記入して薬局にて保管。

調剤基本料・調剤料・薬学管理料の算定方法
調剤基本料、調剤料、薬学管理料は分割しない90日分の点数を〇点とすると分割調剤毎にそれぞれ〇/3点を算定する。
薬剤料は分割調剤毎にそれぞれ30日分を算定する。

分割調剤からリフィル処方箋へ

私の薬局では分割調剤の指示が入った処方箋が来たことは無いのですが、今後長期処方されている患者では分割調剤が増えると思います。

今回の改定による変更は個人的にリフィル処方箋への布石ではないかと思っているので、社会保障財源を枯渇させないためにも、薬剤師の職能をしっかりと発揮して適切な薬物療法を行うことができるように努めていただきたいと思います。

この記事を書いた人

今井雄基(いまいゆうき)

株式会社倉敷健康企画
管理薬剤師 認定実務実習指導薬剤師
岡山県出身

実習先の薬局で在宅医療に興味を持ちそのまま就職、2009年より現職。
調剤、在宅医療、OTCなど地域密着薬局での経験を元に現場に役立つ情報を発信してまいります。

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