ビタミンBが配合された経口薬にビタメジン配合カプセル、ビタノイリンカプセル、ノイロビタン配合錠があります。
効能・効果はすべて同じで下記の通りです。
ビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給
(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦 など)下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺
どれも明確な使い分けはないと考えられますが、それぞれの有効成分の違い、個別指導で指摘されやすい「長期投与の疑義照会」についてまとめてみました。
ビタメジンはビタミンB1,B6,B12が配合されており、ビタノイリンとノイロビタンにはビタミンB2がプラスで入っています。
それぞれ1カプセル(錠)の含有成分・含有量は下記の通りです。
種類 | ビタメジン25 | ビタノイリン25 | ノイロビタン |
---|---|---|---|
ビタミンB1 | ベンフォチアミン (チアミン塩化物として25mg) |
フルスルチアミン 25mg |
オクトチアミン 25mg |
ビタミンB2 | リボフラビン 2.5mg |
リボフラビン 2.5mg |
|
ビタミンB6 | ピリドキシン 25mg |
ピリドキサール リン酸エステル水和物 15mg |
ピリドキシン 40mg |
ビタミンB12 | シアノコバラミン 250µg |
ヒドロキソコバラミン 125µg |
シアノコバラミン 250µg |
ビタノイリンとノイロビタンにはビタミンB2の「リボフラビン」が配合されています。
ビタミンB2は脂質の代謝を助け皮膚や粘膜の機能維持に関与していますが、ビタミンB2を配合する主な目的はビタミンB1によるビタミンB2減少を補うためと考えられます。
ビタミンB1を大量に投与すると尿中のビタミンB2排泄が増加し、血液中のビタミンB2が減少することや、臓器内ビタミンB2濃度が減少することが報告されています1)。
ビタノイリンに含まれるヒドロキソコバラミンは、ビタミン B12であるシアノコバラミンに比べ体内貯留性、持続性、補酵素型B12への転換で優れているとされています2)。
1)ノイロビタン錠インタビューフォーム
2)ビタノイリンカプセルインタビューフォーム
リボフラビンを含有するビタノイリンとノイロビタンは尿が黄色に変色することがあります。
尿が変色しても問題ないことを伝え、尿検検査がある場合は事前に併用薬を伝えるように指導しましょう。
ビタミン剤は「効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない」とされているため、長期で処方されている場合は有効性の確認を行わなければいけません。
主治医に疑義照会し処方意図を確認した後、薬歴やレセ摘コメントに残すこととされていますが、長期投与といってもPPIのように具体的な数字がないため、見極めが難しいですよね?
またビタミン剤の処方意図をいちいち電話で確認するのも気がひけてしまいます。
僕はビタミン剤が処方された患者さんには最初の服薬指導で処方目的を聞くか、会話の中から処方意図を推測して薬歴に記載するようにしています。
中には「ニキビ」や「肌荒れ」「口内炎」目的と言われることがありますが適応ではないため、症状にニキビや肌荒れがあることを薬歴に記載し「ビタミン需要が増大」と考察に記載しています。
有効性確認のタイミングですが、だいたい3カ月間隔くらいでしょうか。
「ビタミンBの需要が増大し食事による補給が不十分のため継続投与問題ない」
「継続処方で筋肉の痛み改善傾向。引き続き投与が必要と考える」
などを薬歴に記載しています。
服薬指導の中で
「不必要じゃない?」
と判断した時だけ
「最近ビタミン剤の査定が厳しいので念のため継続処方で問題ないか確認お願いできますでしょうか?」
と疑義照会をかけて回答内容を薬歴、レセ摘コメント、処方箋の備考欄に書くようにしています。
しかし個別指導では「薬剤師の自己判断でなくちゃんと主治医に疑義照会をしましょう。」
とつっこまれるケースもありますが・・・。
厚生局の判断で地域によって対応に違いがあるかと思いますが
「自分の薬局ではこんな対応しているよ」とご指導いただける方はこちらよりメッセージいただると幸いです。
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