「前立腺肥大症による排尿障害」に処方されるのがアドレナリンα1受容体遮断薬です。
α1受容体遮断薬について特徴や作用機序、違い、服薬指導での注意点についてまとめました。
日々の薬剤師業務に少しでもプラスになる記事になれば幸いです。
一般名 | 商品名 | 特徴 |
---|---|---|
ウラピジン | エブランチル | 1日2回 降圧剤として適応もあり 神経因性膀胱に伴う排尿障害の適応あり |
プラゾシン塩酸塩 | ミニプレス | 1日2〜3回 降圧剤として適応もあり |
ナフトピジル | フリバス | 1日1回 α1D受容体を選択的に遮断 |
タムスロシン塩酸塩 | ハルナール | 1日1回 α1受容体の選択性なし 主にα1A・α1D受容体を遮断 |
シロドシン | ユリーフ | 1日2回 α1A受容体を選択的に遮断 |
前立腺や尿道の平滑筋に存在するα1受容体を遮断することで前立腺や尿道を弛緩させ排尿障害を改善します。
α1受容体はα1A、α1B、α1Dの3つのサブタイプがあります。
α1受容体サブタイプ | 分布 |
---|---|
α1A受容体 | 前立腺 |
α1B受容体 | 血管 |
α1D受容体 | 膀胱・前立腺 |
ユリーフのインタビューフォームより、α1受容体サブタイプの選択性について抜粋します。
値が小さいほど親和性が高いことを意味します。
一般名 商品名 |
Ki(nM) | ||
---|---|---|---|
α1A | α1B | α1D | |
シロドシン ユリーフ |
0.039 | 6.5 | 2.2 |
タムスロシン ハルナール |
0.012 | 0.12 | 0.030 |
ナフトピジル フリバス |
23 | 7.8 | 4.4 |
フリバス(一般名:ナフトピジル)はα1D受容体に選択性があり、ユリーフ(一般名:シロドシン)はα1A受容体に選択性が高いのが特徴です。
ハルナール(一般名:タムスロシン)は選択性はなくα1受容体全体を遮断します。
α1D受容体は膀胱平滑筋に多く分布することから、α1D受容体を選択的に遮断するフリバスは膀胱平滑筋を弛緩させ蓄尿機能も改善すると考えられます。
ユリーフ(一般名:シロドシン)はα1A受容体への選択性が高いことから、ハルナールに比べて「血圧低下」の副作用が少ないのが特徴です。
しかしα1A受容体は輸精管や消化管にも存在するため、射精障害や下痢・軟便などの副作用が高い確率で現れてしまいます。
アドレナリンα1受容体遮断薬が処方された患者さんへ服薬指導の注意点をピックアップします。
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