起床時に服用する骨粗鬆症の薬を飲んでると抜歯できないと聞いたことがあるのですが、どれくらい休薬しないといけませんか?
ビスホスホネート製剤を服用中の方から抜歯時の休薬について相談を受けるケースは薬局でもあるかと思います。
これは、顎骨壊死(読み方:がっこつえし)を予防するためです。
顎骨壊死とは、あごの骨が炎症を起こして壊死するもので、ビスホスホネート製剤を服用中に抜歯などの侵襲的歯科治療によって誘発される確率が高くなります。
ビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ:Bisphosphonate-Related Osteonecrosis of the Jaw)とよばれていましたが、他の骨吸収抑制剤でも引き起こす可能性があることから、骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ:Anti-resorptive agents-related Osteonecrosis of the Jaw)とよばれます。
抜歯時にビスホスホネート製剤を休薬するかどうかは、通常、主治医や歯科医師の判断となりますが、
患者さんから相談されたり、薬剤師にも医師からアドバイスを求められることもあります。
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版に具体的な休薬方法が記載されていますので、参考にまとめました。
もし、ビスホスホネート製剤を投与開始前に抜歯などの外科的な侵襲処置が必要の場合は、
通常、歯科治療が終了し治癒が確認されてからビスホスホネート製剤をスタートさせます。
少しでもリスクを軽減させるためにも、禁煙やアルコール摂取制限、口腔内を清潔に保つことを心がけなければいけません。
ビスホスホネート製剤を服用して3年未満の場合、下記の危険因子に該当しなければ休薬せずに継続します。
上記の危険因子に該当する場合は、休薬することによる骨折リスクや、外科的な侵襲処置の必要性、休薬しないことによる顎骨壊死のリスクなどを考慮し、通常は医師と歯科医師で判断します。
休薬する場合は期間は定まっていませんが、ガイドラインでは休薬期間は3ヶ月が推奨とされています。
ビスホスホネート製剤を服用して3年以上の場合、休薬することによる骨折リスクや、外科的な侵襲処置の必要性、休薬しないことによる顎骨壊死のリスクなどを考慮し、通常は医師と歯科医師で判断します。
休薬する場合は期間は定まっていませんが、ガイドラインでは休薬期間は3ヶ月が推奨とされています。
ゾメタ点滴静注、パミドロン酸二Na点滴静注は骨粗鬆症の適応なし。
関連記事
ビスホスホネート(BP)一覧・作用機序・服薬指導のポイント(内服・注射)
参考資料
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。
お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。
コメント欄ご利用についてのお願い
※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます