月1回投与のビスホスホネート薬のボンビバ錠100mg(成分名:イバンドロン酸ナトリウム水和物)が2016年4月21日に発売されました。
ボンビバは静注タイプがすでに発売されており、ビスホスホネートの経口薬が飲み辛い方や、飲み忘れのある方にとって、ワンショットで治療が可能な静注が使用されております。
静注は薬局で処方されることはありませんでしたが、錠剤の発売に伴い薬局でも処方に触れる機会が増えるかと思います。
ボンビバ錠剤の特徴、服薬指導の注意点についてまとめてみました。
ボンビバ1錠あたりにイバンドロン酸ナトリウム水和物 が112.5mg(イバンドロン酸と して 100mg)含有されています。
ビスホスホネート製剤に分類され、破骨細胞に取り込まれて骨吸収を抑制し、骨代謝を改善し、骨量を増加させ骨の強度を高めます。
ボンビバは骨の表面にあるハイドロキシアパタイト(HAP)に吸着されます。
破骨細胞が骨吸収を行う際に酸を分泌するのですが、酸によってボンビバは骨の表面から遊離し破骨細胞に吸収されます。
破骨細胞にボンビバが吸収されることで、破骨細胞の機能不全、アポトーシスをおこし骨吸収が抑制されます。
骨粗鬆症
成人にはイバンドロン酸として100mgを1カ月に1回、起床時に十分量(約 180mL)の水とともに経口投与します。
なお、服用後少なくとも60分は横にならず、飲食(水を除く)及び他の薬剤の経口摂取を避けることとなっています。
他のビスホスホネート製剤は30分の縛りがありますが、ボンビバは60分となっています。
国内臨床試験311例中の主な副作用と発現率は
下痢(4.5%)、背部痛(4.2%)、頭痛(2.9%)、関節痛(2.9%)、倦怠感(2.9%)
となっています。
ボンビバ錠を服薬指導する際の注意点をまとめてみました。他のビスホスホネート製剤とだいたい同じですが、服用後横にならず、飲食を控える時間が従来の30分から60分に延長されています。
通常のビスホスホネート製剤は服用後30分間は横にならず、水以外の飲食は控えるようになっています。しかし、ボンビバ錠に関しては服用後60分間は横にならず、水以外の飲食を避けなければいけません。
60分横になってはいけない理由?
ボンビバなどのビスホスホネート薬剤は食道の通過が遅くなると食道炎や食道潰瘍及び胃潰瘍など上部消化管の障害が起こることがあるので、早く胃内に到達させるためにも横にならないように定められています。
食後に服用してはいけない理由・食後60分は飲食を控える理由?
インタビューフォームに記載されていますので抜粋します。
健康成人男性にイバンドロン酸として50mgを1週間隔で投与後3時間絶食、投与後2時間 絶食、投与後1時間絶食、食直後投与及び食後2時間後投与の条件でそれぞれ経口投与したときのAUCinf及びCmaxは、投与後絶食時間が1~3時間の間ではほぼ同様であった。一方、食前投与と比較して食後投与で低下が認められた。 また、本剤は多価陽イオンと錯体を形成することがあるので、多価陽イオンを含む飲料(カルシウム、マグネシウム等の含量の特に高いミネラルウォーターや牛乳等)、食物及び他の薬剤を経口摂取すると本剤の吸収が妨げられることがある。
引用元 ボンビバインタビューフォーム
胃に早く薬を到達させるためにも、コップ一杯の水で服用するように指導しましょう。硬度の高いミネラルウォーターは吸収が低下する可能性があるので避けた方がよいでしょう。
顎骨壊死を防止するために抜歯などの際は服用を中止する必要があります。歯の治療をする際は、事前にボンビバを服用していることを歯科医師に伝えるよう指導しましょう。
「飲み忘れた場合はどうするの?」
薬局でもよく受ける質問かと思いますが、通常は「飲み忘れに気づいた日の翌日の朝から服用すること」とされています。
以後は服用した日を基点として1ヶ月あけて服用することと定められています。
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