モーラス等(ケトプロフェン製剤)は妊婦に使用OKなの??

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

モーラステープ 妊娠後期禁忌

出典 久光製薬

ケトプロフェン製剤であるモーラステープやモーラスパップ、セクタークリーム等の添付文書改定が行われ、「妊娠後期の女性」が禁忌となりました。

禁忌の理由は胎児動脈管収縮

妊娠後期の女性がケトプロフェン製剤を使用し、胎児の動脈管に収縮が生じた症例が4例集まった事から禁忌に「妊娠後期の女性」が追記となりました。

また妊娠中期の女性でも羊水の減少が報告されていますので「必要最低限の投与にとどめるなど慎重に投与する事」と追記されています。

妊娠中期と後期の違いは?


初期は妊娠0週~15週まで、中期は16週~27週まで、後期は妊娠28週から分娩までと区別されます。胎児への薬の影響が最も強い、絶対過敏期(4週目~7週目)は何かと注意しがちですが、たとえ絶対過敏期以外であっても薬の使用は慎重にならなければいけません。

家族や友人との使いまわしは避ける


胎児動脈管収縮の事例4例のうち3例は、医療機関で処方されたのでなく妊婦の方が家族から譲り受けたもの使用した事が原因だったそうです。

今回のケースは妊婦さんが自己判断で使用する前に、近所の薬局薬剤師に一言相談していれば防げたかもしれません。医療用医薬品だけでなくOTCや健康食品など、「健康に関わる事は全て無料で相談できる」という薬局薬剤師を活用するメリットもまだまだ啓蒙していく必要がありそうです。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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