フィコンパ(ペランパネル水和物)の作用機序・特徴は?

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

エーザイが創製した抗てんかん薬であるフィコンパ錠(成分名:ペランパネル水和物)が、2016年3月に厚生労働省より製造販売承認を取得しました。

全く新しいタイプの抗てんかん薬、フィコンパ錠(成分名:ペランパネル水和物)の作用機序、特徴について簡単にまとめてみました。

フィコンパ錠(成分名:ペランパネル水和物)の作用機序

フィコンパ錠(成分名:ペランパネル水和物)はグルタミン酸受容体であるAMPA受容体を遮断することで、効果を発揮します。

グルタミン酸受容体には

AMPA受容体(α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazole propionate)
記憶や学習、興奮性シナプス伝達に関与
NMDA受容体(N-methyl-D-aspartate )
記憶や学習に関与
カイニン酸受容体
神経細胞の興奮性やシナプス伝達の調節因子として機能(シナプス前・後に存在)

の3つのサブタイプが存在します。

グルタミン受容体(AMPA受容体)

AMPA受容体は興奮性神経伝達を行う受容体で、てんかん発作の中心的な役割とされています。

フィコンパ錠(成分名:ペランパネル水和物)はシナプス後ニューロンのAMPA受容体に対して、高選択的にかつ非競合的に拮抗します。

シナプス間隙のグルタミン酸濃度に関わらずナトリウムイオンの細胞内への流入を抑制し神経の過剰な興奮を抑えることができます。

フィコンパ錠(成分名:ペランパネル水和物)の特徴

フィコンパ錠(成分名:ペランパネル水和物)は部分発作(二次性全般化発作を含む)強直間代発作で効能・効果を取得しています。

また2016年時点では単独の処方はできず、既存の抗てんかん薬で効果が見られない場合に、抗てんかん薬との併用で投与が可能です。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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