AT1受容体への選択性がAT2受容体に比べて30000倍高い(in vitro)ARBがバルサルタン(商品名:ディオバン)です。
バルサルタンの作用機序、特徴、服薬指導の要点についてまとめてみました。
アンデオテンシンⅡがアンデオテンシン受容体(AT1受容体)に結合すると、血管平滑筋が収縮し、水やNa+の貯留がおこり、血圧が上昇します。
バルサルタンをはじめARBは、アンデオテンシンⅡがAT1受容体に結合するのを阻害することで、血圧の上昇を抑えます。
アンデオテンシンⅡはAT1受容体だけでなく、AT2受容体にも結合するのですが、アンデオテンシンⅡがAT2受容体に結合することで血管平滑筋が弛緩し、Na+が排泄され、血圧が低下する働きもあります。
バルサルタンはAT1受容体に選択的に競合的拮抗することで、血圧の上昇を抑えるとともに、血圧を低下させる働きもあります。
ディオバンのインタビューフォームによると、健康成人に空腹時単回投与した時のTmaxとT1/2は下記の通りです。
規格 | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
40mg | 3 | 4.0±1.3 |
80mg | 3 | 3.9±0.6 |
ディオバンの「薬のしおり」によると、飲み忘れた場合は「気づいた時に服用すること」となっています。
ただし、次回の服用まで8時間以内の場合は「次回分から正しく服用すること」となっています。
飲み忘れた場合は気がついた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次の通常飲む時間が8時間以内の場合は、忘れた分は飲まないで1回分を飛ばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
引用元 ディオバン薬のしおり
・1日1回投与(食事・タイミングの縛りなし)
・成人はMAX160mg
・6歳以上の小児から使用可能
・BP変動によるふらつきに注意
(車の運転・高い所の作業に注意)
・飲み忘れ時の対応を指導
(次回服用まで8時間以内の場合は1回分とばす)
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