イルベサルタン(アバプロ・イルベタン)作用機序・特徴・服薬指導の要点

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

半減期が長く長時間作用型のARBがイルべサルタンです。

商品名はアバプロ(メーカー:大日本住友製薬)や、イルベタン(メーカー:塩野義製薬)として販売されています。

イルべサルタンの作用機序、特徴についてまとめてみました。

作用機序

アンデオテンシンⅡがアンデオテンシン受容体(AT1受容体)に結合することで血管平滑筋が収縮し血圧が上昇します。

イルベタンをはじめとしたARBはアンデオテンシンⅡがAT1受容体に結合するのを防ぐことで、血圧の上昇を抑えます。

ARB

アンデオテンシン受容体にはAT1受容体とAT2受容体のサブタイプがあるのですが、イルベタンはAT1にのみ競合的拮抗するため、血圧の上昇を抑え、また血圧を低下させる作用があると考えられています。

Tmax・T1/2(半減期)

アバプロのインタビューフォームによると、健康成人男性に空腹時単回投与した時のTmaxとT1/2は下記の通りです。

規格 Tmax(hr) T1/2(hr)
50mg 1.4±0.7   10.1±5.9 
100mg 1.6±0.9   13.6±15.4 

他のARBに比べて半減期が長いのが特徴です。

飲み忘れた場合の対応

 

イルべサルタンを飲み忘れた場合、主治医から特別指示がない場合は「気づいた時に服用すること」となっています。

飲み忘れた場合は、気がついた時にすぐに飲んでください。ただし、次に飲む時間が近いときは、1回とばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

引用元 アバプロ薬のしおり

 

代謝

主としてCYP2C9による酸化的代謝とグルクロン酸抱合により代謝。

特徴・服薬指導の要点

・1日1回投与の長時間作用型ARB
・1日最大は200mg
・飲み忘れた場合は気づいた時に服用
・BP変動によるふらつきに注意
(自動車の運転・高いところの作業に注意)

 

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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