高血圧だけでなく、軽症〜中等症の慢性心不全にも効能・効果のあるARBがカンデサルタンシレキセチル(商品名:ブロプレスなど)です。
カンデサルタンについて作用機序、特徴、服薬指導の要点についてまとめてみました。
アンデオテンシンⅡがアンデオテンシン受容体(AT1受容体)に結合すると、血管平滑筋が収縮し血圧の上昇がおこります。
カンデサルタンシレキセチルは経口摂取後、加水分解されて活性体のカンデサルタンに分解されます。
カンデサルタンはアンデオテンシン ⅡがAT1受容体に結合するのを抑えることで、血圧上昇をおさえます。
アンデオテンシン受容体にはAT1受容体とAT2受容体のサブタイプがあるのですが、カンデサルタンはAT1を選択的に阻害することで、血圧の上昇を抑えると考えられています。
ブロプレスのインタビューフォームによると、本態性高血圧患者にブロプレス4mgを朝食後に経口投与した時の、活性体カンデサルタンのTmaxとT1/2(半減期)は下記のとおりです。
Tmax(hr) | T1/2α(hr) | T1/2β(hr) | |
カンデサルタン | 5.0±1.1 | 2.2±1.4 | 9.5±5.1 |
カンデサルタンは肝臓でCYP2C9によりM−Ⅱに代謝されます。
カンデサルタンの併用禁忌薬ですが、アリスキレンフマル酸塩(商品名:ラジレス)を投与中の糖尿病患者となっています。
禁忌
アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし,他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔非致死性脳卒中,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。〕
ブロプレスの薬のしおりによると、主治医からの指示がない場合、「飲み忘れに気づいた場合は気づいた時に服用すること」となっています。ただし、次回服用まで8時間以上間隔をあけなければいけません。
飲み忘れた場合は、気が付いたときに1回分を飲んでください。ただし、次の服用時間まで8時間以上あけるようにしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
引用元 ブロプレス薬のしおり
・1日1回で24時間持続
・BP変動によるふらつきに注意
(自動車の運転・高い所での作業に注意)
・飲み忘れた場合は気づいた時に服用
(次回服用は8時間以上間隔あける)
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