1日2回投与のジヒドロピリジン系Ca拮抗薬がニルバジピン(商品名:ニバジール)です。
ニルバジピンについて作用機序、特徴、服薬指導の要点についてまとめてみました。
ニルバジピン(ニバジール)は血管や心筋を収縮させるCa2+の血管細胞内への流入を抑えることで、血管を拡張させる働きがあります。
具体的な作用部位ですが、血管平滑筋細胞膜に存在するジヒドロピリジン結合部位に結合し、血管細胞内へ Ca2+が流入するのを抑え、血管平滑筋を弛緩、拡張させることにより血圧を低下させると考えられています。
ニバジールのインタビューフォームによると、健康成人男性に空腹時単回投与した時のTmax、T1/2は下記の通りです。
規格 | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
2mg | 1.5 ±0.84 | 10.7±2.3 |
4mg | 1.08±0.49 | 10.9±2.4 |
主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されます。
グレープフルーツにはCYP3A4を阻害するフラノクマリン類が含有されています。
ジヒドロピリジン系のCa拮抗薬はCYP3A4で代謝されることが多く、多くのCa拮抗薬がグレープフルーツと併用注意となっています。
併用注意の理由ですが、グレープフルーツの果実に多く含まれるフラノクマリン類が、小腸上皮細胞のCYP3A4を不可逆的に阻害するためCa拮抗薬の血液中への吸収が上昇することが報告されているからです。
本来ならCa拮抗薬が小腸から血液中に吸収される過程で、消化管の上皮細胞に存在するCYP3A4によって代謝・分解され、代謝・分解されない一部が血液中に吸収されています。
グレープフルーツによって消化管の上皮細胞に存在するCYP3A4が不可逆的に阻害されると、消化管でのCa拮抗薬の代謝が阻害され血液中に吸収される量が上昇してしまうのです。
ニルバジピン(ニバジール)については、グレープフルーツ併用時のAUCやCmaxの上昇率のデータはないですが、「併用注意」となっており、「同時に服用は避けた方が無難」とされています。
ニルバジピン(ニバジール)を飲み忘れた場合、主治医からの指示がなければ「気づいた時に服用すること」となっています。
飲み忘れた場合は、気がついた時、できるだけ早く1回分を飲んでください。ただし、次に通常飲む時間が近い場合は1回とばして、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
引用元 ニバジール「薬のしおり」
・1日2回服用(食事の縛りなし)
・グレープフルーツの同時摂取は避ける(間隔をあけて摂取する場合は血圧変動に注意)
・飲み忘れ時の対応を指導
(気づいた時に服用・次回と間隔が短い場合はとばす)
・BP変動によるふらつきに注意
(車の運転・高い所での作業に注意)
・主な副作用は顔面潮紅(1.56%)ほてり(1.28%)動悸(1.12%)頭痛(1.03%)
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